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法律事務所

法律事務所の数について

2020年6月25日
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公開日:2017/06/12 | 最終更新日:2020/06/25

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司法試験合格者の数

ロースクール制度が日本においても導入された、いわゆる司法制度改革が実施され、早くも15年が経過しようとしています。
その15年の間に司法試験合格者の数が増加し、弁護士の数も大きく増える結果になりました。
しかし、ロースクールの乱立により、その質に疑問符が付き、政府が当初予定していた、司法試験合格者年間3000人、ロースクール卒業生の司法試験合格率80%という目標はもろくも崩れ去ってしまっている状況です。

現在では司法試験合格者は司法制度改革前の水準に近い1500人前後で推移しています。
そもそも法曹人口の増加を目指したのは、優秀な人材を多様に登用することを目的とする一方、弁護士の数が人口と照らし合わせて著しく少ない地域、代表的なのは当該地域に弁護士が0人又は1人の地域である、「ゼロワン地域」と呼ばれる地域、の解消が目的でした。

東京へ一極集中

確かに、司法制度改革が進められた結果、(優秀かどうかは議論のあるところですが)弁護士の数は飛躍的に増加し、全国展開に支店展開をするような法律事務所も誕生した関係でゼロワン地域の減少には非常に大きな役割を果たしました。
しかし、全体としてみると、弁護士の数が全体的に増加したとはいえ、特に東京への一極集中現象は進んでいる、といえます。

2019年3月31日現在の統計によれば、日本全国41118人の弁護士のうち、実に19577人(割合で言えば約47%)の弁護士が、東京の弁護士会(東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会)に所属している、というのが実情です。
法律事務所の数でみてみても、日本全国で18023の法律事務所がありますが、そのうち、6768の法律事務所(割合で言えば約37%)が東京の3つの弁護士会所属となっています。

これだけ東京に弁護士が密集するのは、やはり、それだけ需要がある、ということです。特に倒産案件や知的財産法案件、企業法務案件などは、そもそも東京に各企業の本社や法務部がある関係で、東京の法律事務所に依頼したり、東京の弁護士を顧問弁護士とすることが多いことによると考えられます。

そうすると、いざ修習生や経験弁護士が就職活動、転職活動を考えた場合に、企業法務や上記のような専門分野を持ったり、その仕事に就きたい、ということであれば、東京に絞って就職活動・転職活動を行うことになるでしょう。
もっとも、こういった専門的な法律事務所が増えてきている背景には、既に東京の弁護士が飽和状態にあることが挙げられます。
そうすると、東京ですぐに独立して、採算をとる、というのは最初の数年間は基金の援助・補助などもあり可能かもしれませんが、将来的な事務所の発展、弁護士個人のスキルアップ、という面では、中々明るい未来が待っているとは言いにくいのが実情です。
  
逆に地方であれば、まだまだゼロワン地域に等しいような都道府県も存在します。弁護士の双数が2桁しかいない様な都道府県も最も弁護士の数が少ない鳥取県の66人(支部がある場合、その支部ごとの人数はカウントしていません。)、法律事務所の数37か所、や秋田県の77人、法律事務所の数57か所、といった県もあります。

こういった地方では、新人弁護士が例えばすぐに独立するいわゆる即独を行ったとしても、刑事事件の国選弁護や、法律相談等で食べていくことも十分可能な状態にあるといえます。もっとも、こういった過疎地域と呼ばれるような場所で法律事務所を構える場合には、上記のような専門的なスキルを身に着けられる可能性はかなり下がってしまう、と言わざるを得ません。もっとも、いわゆる、街の何でも屋的な弁護士(一般的には、こういった弁護士を「マチ弁」といいます。)を目指し、一般民事事件について、幅広い経験を積む、という観点であれば、こういった地域での就職も十分に考えられるでしょう。

但し、即独立するのではなく、その地域の法律事務所への就職を希望する場合には、そもそも就職口が狭い、という難点があります。
一般的に、東京の求人であれば、ひまわり求人やジュリナビといった大手の求人サイトで求人情報を見ることができますが、地方はそうはいきません。もちろん、一部ひまわり求人に掲載するような法律事務所が存在することも事実ではありますが、地方においては、それはほんの一部の法律事務所に限られます。

基本的には何らかのコネクション、あるいは弁護士会単位での求人情報を探すしかない、というのが実情です。
コネクションを如何に作り、いかにそれを生かして就職活動や転職活動を行うことが重要なキーになっていきます。

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