未経験可の税理士事務所求人について
公開日:2016/12/18 | 最終更新日:2020/06/17
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税理士業務を行うには税理士登録が必要であり、そのためには実務経験2年が要件となります。税理士事務所で実務が未経験の人に対する求人はあるのでしょうか。実務未経験者が税理士事務所に転職したい時に気を付けたいポイントと応募方法について、確認してみましょう。
実務経験が必要な理由
税理士試験に合格後、税理士業務を行うには税理士登録を行う必要があります。
税理士登録には実務経験が2年以上という要件を満たす必要があります。
税理士登録の手続きに関しては、具体的に以下のように定められています。
登録の申請
税理士となる資格を有する者が、税理士となり税理士業務を行うためには、日本税理士会連合会に備えてある税理士名簿に登録を受けなければならないとされています。(税理士法第18条)この税理士名簿の登録を受けるためには、登録免許税の納付とともに登録申請書等必要な書類を、税理士事務所を設けようとする所在地の区域の税理士会へ提出する必要があります。また、税理士名簿に登録を受けるには、日本税理士会連合会会則第44条の規定により、手数料5万円を納付しなければなりません。
登録調査・審査の流れ
登録申請書を受理した税理士会は、副本を申請者の住所地の税務署長並びに市区町村及び都道府県の長に送付するとともに、税理士会において必要な調査を行うこととなっています。
税理士会の調査の結果、登録申請書等は日本税理士会連合会に進達され、さらに調査・審査を経た後、登録適当と認められた場合には税理士名簿に登録されるとともに官報に公告されます。
また、登録申請者に対しても登録の通知がなされ、税理士会を経由して税理士証票が交付されます。
また、実務経験については、以下のように定められています。
実務経験について
税理士となる資格を有する者のうち、
1. 税理士試験に合格した者
2. 税理士試験を免除された者については、2年以上の実務経験が必要とされています。(税理士法第3条)
この実務経験の内容については、租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものと規定されています。また、実務経験として申請する期間は試験合格又は試験免除決定の前後を問いません。「租税に関する事務」とは、税務官公署における事務のほか、その他の官公署及び会社等における税務に関する事務をいいます。
「会計に関する事務で政令に定めるもの」とは、貸借対照表勘定及び損益勘定を設けて計理する会計に関する事務をいい、特別の判断を要しない機械的事務を除く会計事務をいいます。なお、実務経験に該当するか否かは、登録申請書及び在職証明書等が提出された後、税理士会の調査(面接等)の段階で個別に判断することになっています。
引用元:http://www.nichizeiren.or.jp/prospects/entry/howto/
この実務経験の期間は税理士試験合格前でも有効であり、通常、会計事務所にバイト勤務であっても通算で2年間以上勤務していれば問題はないです。そして、税理士事務所の所長が証明書にサインをすれば、税理士登録ができます。
実務経験未経験者が採用されるためのポイント
実務経験未経験者が税理士事務所に採用されるポイントを確認してみましょう。
まずは、年齢の問題です。どんな業界でも未経験の場合、年齢は若いほうが有利であるといえます。若いうちのほうが、雇う側も教育がしやすいからです。そして、現在いるスタッフも年が上の場合、教えにくいというのもあります。よって、年齢は25歳前後が適齢かと思われます。それ以上の年齢で未経験で税理士事務所に応募する場合は平均年齢が高めの事務所に応募するのもよいでしょう。
また、税理士の科目の取得に関することです。税理士の簿記論および財務諸表論の必須科目2科目は取得している人が多いです。よって、この2科目は最低でも取得しておきたいところです。他の人の差別化を狙うなら、税法科目早めに取得するのもよいでしょう。
法人税法や消費税法は実務において必要です。取得のしやすさから選択するなら、ボリュームの少ない消費税法を先に取得するのを検討してもよいでしょう。
そして、業務の経験に関することです。税理士試験の場合、受験に専念するという形をとる人が多いです。しかし、職務経歴の空白の期間があるのは、転職においては、マイナスの
影響があります。よって、バイトで週2日から3日でもよいので、試験直前の期間でも補助的な業務経験を積んでいたほうがよいでしょう。
税理士事務所への応募方法
税理士事務所への求人をどのようにリサーチして、応募するのかについて、確認してみます。
いくつかの方法がありますが。税理士の受験生であれば、税理士資格の専門学校に通学している人が多いでしょう。税理士資格の専門学校では求人情報誌を発行しているため、その情報誌から情報を得るのもよいでしょう。税理士資格の専門学校の求人情報誌では学校に通学している人向けに求人を出しているため、勉強に理解のある事務所が比較的多い傾向があるといえます。
また、最近では零細の会計事務所でも当然のように自社のサイトを運営しています。この自社サイトで採用の応募を行っている税理士事務所もあります。ここで採用の応募をしている事務所は、比較的に経営が安定してきて、積極的に人の採用を行う姿勢を持っています。
よって、税理士試験明けや合格発表前後だけでなく、定期的に採用を行っている税理士事務所が多いです。採用の間口は広いため、実務未経験者であっても採用される可能性は高いといえます。
会計事務所の案件をメインとしている求人情報サイトや転職エージェントでも未経験求人の取り扱いがあります。
税理士事務所求人例
税理士事務所で実務経験が未経験の求人例を確認してみましょう。
1.パートおよびバイト
(仕事内容)
税務会計スタッフ、税理士スタッフ、経理スタッフ、総務スタッフ
【パート・アルバイト】
会計データの入力や、決算補助等のアシスタント業務、電話・来客対応、郵送処理など総務補助
(給与)
時給:1,100円~1,500円
昇給:年1回
賞与:業績により決算賞与あり。
※経験、能力により優遇します
(雇用形態)
パート・アルバイト
(募集年齢)
~40歳
(その他条件)
・簿記2級以上取得または同程度の知識をお持ちの方
・税理士科目2科目以上合格者優遇
・税理士資格保持者優遇
・会計事務所勤務経験者優遇
募集経験 年数
未経験可
2.正社員
(仕事内容)
税務会計スタッフ(内勤)、税務会計スタッフ
税務会計業務・税理士補助業務・税務監査業務
※未経験の方は、仕訳・入力業務・月次資料作成を含む、税務補助全般からお任せします。
業務や所内フローに慣れてきたところで、徐々に担当を持って、業務の幅を広げていただきます。
(給与)
月給:23万円~
昇給年1回(4月)
賞与年2回(6月・12月)
※月給に固定残業代42時間分(55,665円)を含みます
※資格・経験などを考慮の上、決定いたします
【モデル給与】
実務経験3年/年収400万円程度
(募集年齢)
不問
(その他条件)
・日商簿記2級以上、または同等の知識をお持ちの方
・会計事務所の実務経験をお持ちの方、優遇します
募集経験年数
未経験可
2つの求人ともに未経験者可としています。経験者が有利とはなりますが、正社員での募集もしており、年齢も不問となっています。資格としては、日商簿記2級が最低条件で税理士科目を取得していれば、ベストであるといえます。
まとめ
税理士業務を行うためには実務経験が必要であり、どこかの税理士事務所で実務経験を誰もが積む必要があります。税理士試験の勉強と仕事の両立は大変ですが、バイトでもよいのでなるべく若いうちに税理士事務所で実務経験を積んでおいたほうがよいでしょう。
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