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公認会計士実務経験

公認会計士登録に必要な実務経験

2017年2月7日
salesmen

公開日:2017/02/07 | 最終更新日:2017/02/07

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公認会計士試験に合格して、公認会計士として登録するには、実務経験を2年間積み、修了考査試験に合格する必要があります。そして、公認会計士として登録して、本格的に業務を行えるようになります。公認会計士登録までの実務経験および修了考査試験と登録してからのキャリアについて、確認してみましょう。

公認会計士登録までの流れと実務経験

公認会計士として登録するには、試験合格後に、以下の要件を満たす必要があります。

(1) 公認会計士試験に合格した者(全科目免除者を含む)であること
(2) 業務補助又は実務従事の期間が通算して2年以上である者であること
(3) 実務補習を修了し、内閣総理大臣の確認を受けた者であること

さらに、業務補助又は実務従事の実務経験の概要に関しては以下のように定めています。

実務経験(業務補助等)には、以下の「業務補助」と「実務従事」があり、公認会計士の登録をするためには、2年以上の実務経験(業務補助等)が必要です(業務補助と実務従事の両方を経験している場合は、両方の期間を通算することが可能。)。
なお、実務経験の時期は、試験合格の前後を問いません。また、雇用形態については、常勤、非常勤を問いません。

http://www.fsa.go.jp/ordinary/kouninkaikeisi/index.html#1-1
公認会計士の資格取得に関するQ&Aより引用

公認会計士としての実務経験は、まず登録要件を満たすために必要となります。そして、この実務経験を満たし後、修了考査試験を受験して、合格する必要があります。修了考査試験の科目は5科目で、筆記試験で実施され、詳細は以下のようになっています。

①会計に関する理論及び実務
(出題に関する基準・出題項目等)
企業会計審議会が設定した企業会計に関する原則、基準、取扱い
企業会計基準委員会が設定した会計基準、適用指針、実務対応報告
金融商品取引法に基づく会計に関する関連法規、ガイドライン
会社法に基づく会計に関する関連法規
日本公認会計士協会会計制度委員会報告 等

②監査に関する理論及び実務
(出題に関する基準・出題項目等)
監査基準、中間監査基準、四半期レビュー基準、不正リスク対応基準、
監査に関する品質管理基準、財務報告に係る内部統制基準・実施基準
財務諸表等の監査証明に関する内閣府令・同ガイドライン
会社法に基づく監査に関する関連法規
日本公認会計士協会監査基準委員会報告書、監査・保証実務委員会報告、
品質管理基準委員会報告書、IT委員会報告 等

③税に関する理論及び実務
(出題に関する基準・出題項目等)
法人税に関する理論及び実務
所得税に関する理論及び実務
消費税に関する理論及び実務
相続税に関する理論及び実務
地方税に関する理論及び実務
その他の公認会計士が行う業務で必要とされる税に関する理論及び実務 等

④経営に関する理論及び実務(コンピュータに関する理論を含む。)
(出題に関する基準・出題項目等)
財務分析を中心とした企業分析の実務
企業評価の実務
企業におけるリスク管理
企業におけるITの利用及びIT委員会報告
金融商品取引法による企業に関する規制
会社法による企業に関する規制 等

⑤公認会計士の業務に関する法規及び職業倫理
(出題に関する基準・出題項目等)
公認会計士法、同施行令、同施行規則
日本公認会計士協会会則、倫理規則、独立性・職業倫理に関連する指針
金融商品取引法による監査人に関する規制
会社法による監査人に関する規制 等

(合格基準)
合格基準は、総点数の60%を基準として、修了考査運営委員会が相当と認めた得点比率とします。ただし、満点の40%に満たない科目が1科目でもある者は、不合格となることがあります。

引用元:http://ja.jicpa.or.jp/examination/syuryokousa27-4.pdf

修了考査試験は公認会計士試験の最終関門ですが、短答式試験や論文試験のような競争試験と異なり、合格率は70%前後となっています。また、学術的ではなく、実務家としての適性と専門的能力を確認するための試験となっています。修了考査試験に合格して、公認会計士登録ができるようになります。

監査法人での就職

公認会計士試験に合格した後は、前述した修了考査試験の受験要件を満たすために大抵の人は監査法人に就職します。
監査法人は大手監査法人(BIG4)と中小監査法人の2つに分かれます。
大手監査法人(BIG4)への就職は、売り市場の場合と買い手市場の場合で異なります。
売り市場の場合は年齢が高めで30歳以上でも普通にコミニュケーション能力があれば、採用されるケースが多いです。
買い手市場の場合は、年齢条件も厳しくなり、年齢が25歳以下、学歴や英語力も採用基準となり、内定を取るのが難しくなります。

大手監査法人でのメリットは優秀なスタッフが多く、世界最高の監査技術を経験できることです。デメリットは形式的な監査中心の業務となり、スタッフの数が多いため、仕事がなかなか回ってこないということです。また、最終的に独立するのは難しい傾向があります。
そして、会計士試験の改編に伴い、会計士の数は増加傾向にあり、大手監査法人内での出世競争は激しくなっています。
一方で中小監査法人は、公認会計士試験に合格した後に最初に就職する人は少ないです。
買い手市場での就職難や民間企業からの転職のケースが多いです。

中小監査法人でのメリットは、監査以外の業務として、IPOや会計コンサルティング業務が経験できることです。また、独立に関しては、大手監査法人よりもしやすい傾向があります。デメリットは、大手監査法人と比較して、安定性に欠け、年収が低めであることです。

公認会計士CPE(継続的専門研修)制度

公認会計士として登録した後に資格を維持するための研修制度があります。詳細は以下のとおりです。
公認会計士としての資質の維持・向上及び公認会計士の監査環境等の変化への適応を支援するために、日本公認会計士協会(以下「協会」という。)では、会員に対して研修制度を義務付けており、この研修のことを継続的専門研修(CPE=Continuing Professional Education)と言います。

協会が開催する集合研修会への参加・自己学習・著書等執筆・研修会等講師を行うことにより、CPEの単位を取得することができ、当該事業年度を含む直前3事業年度で合計120単位以上のCPE単位を履修することとしています。

引用元:http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/cpainfo/organization/cpe/index.html

監査法人でのキャリアと年収

監査法人では実務経験を積むことで地位も上がり、年収もアップしていきます。
具体的には、最初のスタッフの段階では年収が450万円、シニアスタッフで600万円、マネージャーで800万円、シニアマネージャーで1,200万円、パートナーで1,500万円となっています。前述したように、監査法人内での出世競争は厳しく、最終的にパートナーまで昇進するのは50%ぐらいとなっています。

監査法人でキャリアを積むメリットは一般の民間企業での経験ができないことを3年から5年の間で経験できることです。具体的には、3年から5年の間でクライアント10社程度を担当して、クライアント企業の部長や役員クラスの人と接することです。また、監査法人内では多くの先輩の仕事ぶりを見ることができ、自分自身の将来的な目標とするものを間近で見ることができます。

まとめ

会計士試験の短式試験や論文試験に合格すれば、業務を行えるわけではありません。登録のためには実務経験を2年間積み、修了考査試験に合格する必要があります。ここで、会計士として実務能力があるかを選別されます。また、公認会計士CPE(継続的専門研修)制度
があり、この制度は公認会計士としても登録を維持する制度となっています。

監査法人では監査業務を経験しますが、最近では、監査業務以外にコンサルティング業務やIFRS導入、IPO業務を行う会計士向けの求人も増えてきています。よって、会計士の活躍するフィールドは広まってきているといえます。監査業務以外の業務に携わる場合でも、監査業務での経験が基盤となるので、ここでしっかりと仕事をして、将来の自分の方向性を見極めるべきでしょう。

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