知財部について知る!求められる独特な専門性

公開日:2016/12/03 | 最終更新日:2016/12/03
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何も知らない人に知財部とは何か・・・を質問したとしてもほとんどの人が答えることができないでしょう。
一般的に知財部が知られることはあまり多くありません。知財部で仕事をしていきたいと思っている人でも、その中身をすべて知っている人はあまり多くないと考えられます。知財部というものがどのような専門性を持っている「部」であるのかを紹介していきます。
知財部は特許権を守っていくための要
知財部についてですが、非常に簡単に言ってしまうと、自分たちの特許を守っていくための業務を担う部署となります。
これは、他の企業が特許権を侵害していないかと同時に、自分たちの他の会社の特許権を侵害していないか確認していくことになります。
特許権を侵害していることがあると、それは訴訟等に発展していく可能性をはらんでおり、企業として致命的な状況に陥ってしまう可能性もあります。
そんな状況から、企業を守る、自分たちの特許を守るのが知財部になります。
具体的に何を行うのかというと、特許権の対象としていきたい物、結果を権利化していきます。権利化するということは、すでに同じような結果や物が存在しないかを非常に事細かに調査していくことを意味します。
この調査は地財部として非常に大きな役割であり、ここでミスをしてしまうと、特許権を守っていくことができない、企業を守っていくことが難しくなります。
権利化が進んでいくと、特許事務所と連携をして、特許庁に書類を提出していきます。この際、書類が却下され、スムーズに提出することができないこともあるのです。
ここで財務部の出番であり、却下された部分に対して修正を行い「却下されない」書類に仕上げていくことになります。
最後の財務部のがんばりがなければ、いかにすばらしい結果、物であっても特許権を得ていくことはとても難しくなります。
・知財部の専門性は「権利化」でしか見られない?
知財部として、特許権という形で結果を残していけるかというのは非常に重要です。ここまでたどり着くのが非常に重要であり大変である。
というのも、権利化をするまでの過程というのは非常に見えにくくなっています。外部から見れば、誰がどのような形でどのような活躍をしたのかがわかりにくく、その分正当な労力を評価されにくかったり、仕事へのモチベーションに影響してしまうこともあります。
それゆえに、権利化自体に対しての強い熱意、興味と、企業の商品に対しての関心が強く求められます。また当然法律等の知識や書類作成に関する知識、また権利化しようとしている対象物、結果に対しての専門知識も必要になります。
それゆえに、表面上は見えない部分に対していかに専門知識をもって対応していけるかが大切であり、決して簡単な仕事ではありません。
業務上、他の部門との連携も欠かせない場面が出てくることも多く、他部門との連携という意味でコミュニケーションがとても強く求められることも多いです。
特許権は得られれば良いということではない
特許権というのは、とにかく得ることができれば良いということではありません。特許を維持していく上での「コスト」の増大につながってしまうとされています。それゆえに知財部では、特許権が必要であるのか等の判断をしていくことも求められます。
判断を間違えば、企業としては財産を失うリスクが大きくなり、良い判断であれば企業の利益というのは非常に大きくなります。
・技術や知識が失われつつある!?
知財部の専門性というのは特殊であり、知識や技術を持っていれば誰でもできるようになるというものではありません。一種の「センス」を問われる職種でもあり、センスを磨いていくことが大切にもなります。(これは専門家間でのコミュニケーションでも影響してきます)
しかし、現代では、終身雇用の破綻や、半強制的な退職制度(希望退職等)が影響し、センスを磨いていける人が少なくなり、かつしっかりとした技術やセンス、知識を持っている人が後輩に何かを教えていく時間が非常に足りなくなってきている傾向にあります。
それゆえにまともに知財部として機能をしていくためには、労力も教育も不足してしまっている状態なのです。
不足した状態が続けば、当然仕事の質は落ち、無駄なコストや労力の発生源を作ってしまいます。
知財部に関しては、大きな改革が必要になっている企業がとても多い傾向があり、技術や知識を高めていこうとする高いモチベーションを持った人材が強く求められています。
終わりに
知財部として大きく活躍していくためには、自身の志、モチベーションを高くもつことと、企業側がしっかりと知財部を大切にしているか、しっかりと技術や知識、センス等を教育してくれる体制を整えてくれているかどうかを確認していくべきです。
体制が整っていない場所であると、負担ばかりが増え、知財部としての仕事に誇りを感じることができなくなってしまいます。
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