SACTサムライマガジン
弁理士登録

弁理士として活動する為に必要な「弁理士登録」

2016年11月14日
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公開日:2016/11/14 | 最終更新日:2016/11/14

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士業には、士業を束ねる「団体」があります。もっともわかりやすいのが弁護士会でしょう。弁理士にも弁理士会というものがあり、実質この弁理士会に登録をしておかないと、弁理士として活動をしていくことは難しくなります。

資格を取っただけで仕事ができると思っている人が、未経験の人の中にはいますが、実際には登録をしなければいけず、その登録に関する費用が馬鹿になりません。

まず必要になってくるのが登録免許税です。これが6万円ほどかかります。登録する際の弁理士会への手数料が35,800円となっています。これに加えて、月額15,000円が必要になってくるので、この費用だけで10万円を超えてしまいます。
さらに実務修習という、研修費用として118000円を必要としてくることになります。それゆえに、登録をすると言っても、かなりお金が必要になってきます。(実務修習というのは弁理士会に登録をするために必要な研修です)

この負担が馬鹿にならず、仕事をしたとしても登録料の分赤字になってしまうということも現実的にはあり得ます。

場合によっては自分が支払わなくても良いケースも

この弁理士会に関する費用ですが、実は就職をする、転職をする職場によってどのくらい自分で支払っていくのかが変わってくることが多いです。
ケースによっては全て事務所で負担をしてくれるということもあり、事前の確認は必須と言えるでしょう。

支払ってもらっているといっても、その形式はさまざまです。
会費に関する分を給料に上乗せしてもらって、そこから自分で支払っていくのか、それとも、職場が会費を支払っているのか・・・という違いです。上乗せしてもらっている場合、提示されている給料が会費を含んだものなのか、それとも別のものなのかを正確に把握していないと、いざ仕事をした場合に、思っていた給料の額とは違うということになりかねません。
「支払ってくれる」から大丈夫と安易に安心をしていると思わぬところで、自分の知らない不都合が出てきてしまうこともあるので注意が必要です。

また基本的に会費というのは個人が支払っていくものであり、職場が支払って当然という考えは持たない方が良いでしょう。仮にこのような考えを当たり前のように職場の人に話してしまうと、それがきっかけで印象を悪くしてしまう可能性もあります。

・途中で支払ってくれないようになる・・・というケースも十分にありえる

会費に関してはその人自身が本来は支払っていくものであり、職場が支払っている形式が変わり、全て自分負担になるという可能性は当然あります。急に何の告知もなく変わることはないと思いますが、そのような告知がきても、それは職場が悪いということではなく、それまで支払ってもらっていたことに対して「特別」であったという考えを持っておいたほうが良いでしょう。

弁理士としては登録をしないと仕事はできないが

弁理士として仕事をしていく場合には、基本的に弁理士会の登録が必要ということは紹介をしてきました。
しかし、資格を持っていても、登録をしないという人たちが現状多くなってきています。これは言い換えると弁理士の資格を持っているが、弁理士として仕事をしているわけではないということです。
弁理士ができることというのは、特許庁に対しての代理業務です。これは弁理士「しか」できないことであり、弁理士としての専門性です。(正確には弁護士も関われますが、ここでは弁理士の資格についての説明であるためこのような表現をしています)
しかし、弁理士の指導の下で、書類を作成していくということは、資格を持っていない人でもできることになっています。
弁理士の資格を持っていても、登録をしない人というのは、弁理士会に登録をして弁理士として仕事をしている人の下で「弁理士」の知識を利用して仕事をしている人ということになります。(資格は持っているが、社会的に弁理士として仕事をすることができない人ということです)

このような立場で仕事をしている潜在的な弁理士というのは少なくありません。というのもやはり登録費用が大きな負担になってしまうと考える人が多く、同時に独立ではなく企業等で長期的に仕事をしていければ良いと考える人が増えていることも影響しています。(独立をする場合には資格、そして登録は当然必須です)

・代理業務は資格が必要であるが・・・

特許等に対して出願の代理業務を行なっていく場合には弁理士の資格が必要ということでしたが、コレに関しても、代理ではなく自分で自分のための特許を出願していくことに関しては弁理士の資格は必要ありません。
それゆえに特許を積極的に出願をするが、弁理士そのものが必要ないという企業も存在していることになります。

弁理士という仕事に対して早合点をしすぎる人が多い

弁理士の現実を「登録」を通して知る人が実は少なくありません。多くの人が資格を取ればそれで弁理士として活躍できると思いこんでしまっています。しかし、資格を取るというのは弁理士の入り口でしかなく、本当に重要なことはその後のことをしっかり考えるということです。

・本当に登録をしてメリットがあるのか・・・
・無資格でできる仕事が自分に向いている仕事ではないのか・・・

ということです。当然弁理士の資格を取って損をすることはありません。資格を取ることによって基本的な専門知識は身につきます。しかし実績をとにかく積んでいきたいと思っている場合、弁理士の資格を取るよりも、弁理士の指導の下、実績を積んでいったほうが良いということもあります。
弁理士として仕事をするだけが、選択肢ではないということをしっかり知っておくべきです。何も考えず、資格を取り、登録をするというのは実は経済的にとても損をしてしまうリスクがあります。

弁理士は目的を明確に持っている人向け

弁理士の資格というのはとっておけば間違いなく武器になります。しかし実際に業務を行なっていく場合には、その資格を必要としない場面も少なくありません。

本格的に特許等の業務に関わっていきたいと思うのであれば、資格は取っておいたほうが良いです。これは登録をするしないに関わらず、必ず大きなメリットになるはずです。しかし、単に弁理士が儲かるかもしれない・・・という思いで資格を取ろうとしているのであれば、別の資格を検討したほうが良いでしょう。弁理士の資格を持っていないとできないことというのは、本当に弁理士に興味があり、その業務に長期的に関わっていこうと思っていない人にしか経験できないようなものばかりです。

弁理士に興味があり転職をしていこうとする場合、まずは弁理士の実務を経験していくというのも良いかもしれません。上記で紹介したように、弁理士の資格がなくてもできることは多いです。立場的には見習いなどサポート役の立場になるとは思いますが、仕事を経験してから、資格を目指すというのも良い選択肢です。
この選択であれば、資格を取ってから、後悔をすることもなくなるでしょう。

また海外案件を主に扱っている事務所については、弁理士の資格がなくても、ほとんどの仕事をすることは制度上可能です。弁理士は日本の資格であり、海外案件には関係ないことがほとんどです。
ただ、弁理士という肩書きがあるのとないのとでは大きな違いになり得ます。ただ、実績を多くつめれば、それこそ肩書きよりも実績のほうが評価されるようにはなるでしょう。

弁理士の資格を取る時には、「登録」ということを視野に入れて、その後の展開を検討することが実は非常に必須なことなのです。

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