SACTサムライマガジン
40代弁理士転職

年代別弁理士転職市場動向(40代)

2020年4月17日
bennrishi_01

公開日:2018/11/20 | 最終更新日:2020/04/17

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・一般的な転職市場で40代はベテランといった認識もあるが、弁理士試験の合格者平均年齢を考慮すると、弁理士の中で40代は必ずしもそうではない。

・特許事務所に勤務する40代の弁理士が転職する場合、様々なフィールドにおいて、活躍出来る可能性がある。

・企業に勤務する40代の弁理士が転職する場合、特許明細書の作成経験があるかどうかがポイントになる。

・特許庁審査官・審判官が40代で転職するケースは多く無いかもしれないが、転職する場合、専門知識を活かして活躍出来るフィールドがある。

特許庁が公開している平成29年度弁理士試験の統計を見ると、合格者の平均年齢は37歳となっています。また、日本弁理士会が公開している2018年9月30日現在の日本弁理士会会員の分布状況によると、弁理士の平均年齢は50.8歳であり、40代の弁理士数は弁理士全体の約4割を占めています。これらのことから、40代の弁理士は、弁理士としては「若手」ということができるかもしれません。
合格直後は、弁理士になったことをいろいろと実感するだけの時間が続きますが、合格から数年経つと、自分の将来について考え始めます。合格者の平均年齢から考えて、40代になっている人が多いでしょう。50代になると、次第に、独立しようとか転職しようという考えに及ばなくなりますので、40代は弁理士にとって、非常に重要な分岐点となる時期と言えるかもしれません。
最近は、あらゆる業界で人手不足が報じられていて、知財業界も、弁理士合格者数が減っていますので、数年前より求人数が増えています。
それでは、40代の弁理士が転職するのはどのような場合でしょうか。上のような事情から、今回は、転職前の職業別に見ていきたいと思います。

1.特許事務所勤務の場合

全体として、昨今では特許事務所によって業績の差が出てきたり、働き方改革を考える方がいたりと転職を希望する背景は様々です。その中で更にポジション別に転職のしやすさ等を考えていきます。

(1)特許弁理士
特許弁理士は、多くのクライアントからの出願依頼を受け、特許明細書の作成実務に長けていることが特徴で、求人も最も頻繁かつ大量に出されています。拒絶理由通知等の中間手続対応や外国の法制に関する基礎知識も持っていると考えられ、40代であれば、経験・即戦力を重視する転職先から重宝されるのではないでしょうか。

転職先としては、企業、特許事務所、特許法律事務所等、あらゆる場所が考えられますが、特許弁理士としては、これまで通り特許明細書の作成作業を行えるところを選択することがほとんどでしょう。場合によっては、幹部弁理士・パートナー弁理士として転職できる場合もあります。また最近では特許明細書の作成以外の業務に興味を持ち、転職を希望する方も少なからずいるようです。

転職する場合、求人を見て応募するのが多いかもしれませんが、弁理士仲間に紹介されたり勧誘されて転職することも少なくありません。なお、独立開業するのも40代の特許弁理士が最も多いと思われます。

(2)商標・意匠弁理士
商標弁理士は、人数的には特許弁理士より少ないですが、求人も少ないため、実際には特許弁理士より転職はやや難しいかもしれません。それでも、人手不足を反映して数年前よりは転職しやすくなっています。なお、意匠弁理士は人数・求人共にさらに少なくなっており、意匠に特化した求人はあまりありません。

転職先としては、特許事務所が多いですが、最近は商標登録出願の件数が多い企業では弁理士を積極採用しているところもあるようです。商標専門の特許商標事務所も多くあり、40代でも転職することは十分可能でしょう。また、商標弁理士は法学部出身者も多く、特に特定侵害訴訟の代理業務を行える場合は、訴訟担当弁理士を兼任することもあります。

(3)外国案件担当弁理士
国内出願と異なり、外国出願の件数は増加傾向にありますので、特に大手特許事務所の場合は外国案件を専門に扱う弁理士も存在します。このような弁理士は、外国の法制に詳しく、外国の現地代理人からの情報等で出願実務もよく知っています。当然、英語力もありますので、外国案件を多く扱う企業や特許事務所にとっては、貴重な存在といえるでしょう。また、最近のAI・IoT技術に関する国際的な開発競争によって、外国出願の重要性が増すと思われますので、外国案件担当弁理士の需要は今後さらに大きくなると考えられます。
そのため、特許事務所だけでなく企業からもよく求人が出されていることから、転職先には困らないでしょう。

(4)調査担当弁理士
特許事務所には、特許調査や商標調査を専門にしている所員もいます。これも大手特許事務所に多くなっています。特に特許調査は専門性が高いのですが、これを業務にしている弁理士は珍しいでしょう。
ただし、特許調査にも特許弁理士が必要とされる実務能力(発明の的確な把握等)を求められますので、調査会社を中心に転職先はあるのではないでしょうか。
 

2.企業勤務の場合

(1)知財関係部署に所属している企業弁理士
企業は、特許事務所より組織性が高いですので、企業弁理士がより自由度の高い仕事を求めて転職する話は非常によく聞きます。40代であれば、通常は中堅社員になっているでしょう。
転職先は、特許事務所より企業の知財部や特許部等の方が多いかもしれません。理由としては、特許明細書の作成等を行ったことがない企業弁理士の場合、40代にして「初心者」として転職しなければならない、ということが挙げられるでしょう。特許明細書作成業務も行えることを転職先企業の条件として選ぶ企業弁理士も少なくありませんが、当然そのような求人はほとんどありませんので、特許事務所の弁理士よりは希望通りの転職が難しいと言えます。

(2)知財関係部署に所属していない企業弁理士
知財関係部署に所属していない場合、その企業で知財案件業務に携わるのは難しいかもしれません。そうなると、未経験者として、他の企業か特許事務所に転職することになるでしょう。特許業界も人手不足ですので、40代の未経験者でも弁理士であれば、熱意を持って地道に探せば、OJT(On-The-Job Training)を施してもらえる転職先は見つかる可能性はあります。

3.特許庁審査官・審判官の場合

特許庁の審査官及び審判官であって、特許庁において審判官又は審査官として審判又は審査の事務に従事した期間が通算して7年以上になる者(弁理士法第7条3号)は、弁理士になる資格を有します。そのため、特許庁を退職して弁理士になる人も少なからずいます。前述の日本弁理士会会員の分布状況によると、弁理士数が11,380人であるのに対し、元特許庁審査官等である弁理士数は519人となっています(約4.6%)。
この場合の他のパターンと比較した大きな違いは、弁理士が、特許庁で実際に審査を行ってきた人間であるということです。審査を受ける特許事務所や企業から見れば、そういう人物がいるのは大きなメリットです。特許庁の現職審査官とのコネクションまでは期待できないでしょうが、少なくとも、審査のやり方、審査官に認められやすい適切な反論の方法を分かっているからです。審査官という公務員が40代で転職を決断することは、あまり多くないかもしれませんが、転職するとすれば、転職先は必ずあるでしょう。
   

4.まとめ

40代は、人生の折り返し点であり、自分や家族の将来を真剣に考えることが多い時期と言えます。そして、弁理士業界も、合格者数の減少と人手不足の顕在化、外国案件の増加、AI・IoTを見据えた特許戦略の複雑化等、さまざまな変革が一気に押し寄せる時代になっています。
今後は合格者数は増加せず、弁理士数が大きく変わるようなことはないと思われます。どのように制度や仕事内容が変わっても努力を怠らないようにすれば、40代で転職しても問題なく仕事を続けていけるのではないでしょうか。

以上のように、弁理士の中では30代はもちろん、40代でも充分に転職が可能と言えます。転職活動においては求人情報を見るだけに留まらず、第三者的立場の方にキャリアプランの相談や一緒に求人を探してくれるパートナーがいると心強いでしょう。

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