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仕事弁理士

弁理士の仕事は多くの分野に影響する!

2016年12月4日
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公開日:2016/12/03 | 最終更新日:2016/12/04

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弁理士の仕事についてその全容をすべて知っているという人はおそらくいないでしょう。それくらい多岐にわたって多くの業務を遂行できる職業になります。
しかしもっとも知名度の高い業務としては特許の取得と言えるのではないでしょうか。この業務に関わりたくて弁理士の資格を取得しようと考える人も少なくありません。

特許を取ろうとする人にとって身近な存在

一般の人が特許を取ろうと思っても、まず何をして良いかわからないものです。そのような時に相談できるのが弁理士です。弁理士は新しい発明等をした人の権利を守るための手続きを主体的に行っていくことができます。

新しい発明というのは言ってしまえば、個人の大きなステータスです。しかし特許を取得しておかないと、そのステータスを独占することができず、他の人にまねをされても文句を言えなくなってしまいます。
それどころか、まねをした人が特許を取ってしまったら、最初に発明した人が模倣者扱いを受けてしまうことすらあります。

特許という言葉を使っていますが、実は特許権のほかにも実用新案権というものがあります。特許は比較的専門性の高い発明等に利用されるのですが、実用新案権は、専門性がそれほど高くないものに対しても利用をしていくことができます。
どちらを利用していくのかは、弁理士が決めていくこともあります。

※なんでもかんでも特許を取れば良いということではなく、実用新案権で十分という場合には、実用新案権のほうが簡単に取れるので、便利となります。
デザインに関しては、特許権でも実用新案権でもなく、意匠権という専用の権利があるので、弁理士はこの権利を取得するための手続きをします。

弁理士としてもうひとつ大きな仕事

弁理士のもうひとつ大きな仕事として忘れてはいけないのが「商標権」です。
商標権というのは簡単に言ってしまうと、商品やサービスを他のサービス等を区別するために利用した商標に対しての権利になります。
企業のロゴマーク等が代表的なものです。

商標権と著作権を一緒にしてしまう人がいますが、この2つには大きな違いがあります。
著作権というのは、作品や商品が完成したその時点でできる権利であり、私的な利用に限って他の人が利用をすることができます。

作った人の立場を最低限守っていく権利ではあるのですが、あいまいな部分があります。
それは「知らないで使った」「似ている」という言い訳が通用してしまう点です。商品を知らなかったから利益目的で使った・・・ということがあっても、著作権上は何も問題がないとされてしまうことがあります。

しかし商標権は違います。この商標権に関しては登録をすれば、完全にその権利を守っていくことができるのです。知らなかった等の言い訳は通用しません。
企業のロゴなどをなんとしても守っていきたいという場合には、商標登録をしておくべきということです。(著作権は著者となる人が死亡してしまうとその後50年しか効力を持ってきません。しかし商標権は権利の更新をすることで、半永久的に権利を守っていくことができます)

商標権についての手続きは、一般の人でもできるので、弁理士を利用しないで権利を得る人もいます。
特許等をメインにしていない弁理士の仕事としては商標権をメインにしているところが多く、一般の人がやるよりも、何かしらのメリットを用意していることが多いです。

代理人として訴訟を起こせる立場でもある

権利の取得の手続きの際に、審査の結果に対して、代理人として訴訟を起こすことも弁理士として重要な仕事です。
訴訟に限らず、異議申し立て等をすることもあります。
権利に対して不当な扱いを受けたと思った人の代理人や、その手続きをすることによって、できるだけ希望に沿った結果になるよう働きかける力を持っているのが弁理士です。

弁理士の知識を一般の人が獲得していくのはなかなか難しい

弁理士の仕事の中には、商標権等、一般の人でも行える手続きはあります。しかし、そのためにはそれなりの専門知識と、理解力が必要であり、弁理士に頼んでしまうと「楽」といのが現状です。
アフターサービスや万が一のことを考えると、弁理士の仕事として行ってもらったほうが、手続きとしてはとても安心できるのです。

非常に大きな注意が必要な点としては、弁理士ではない、「それらしき」雰囲気をかもし出すことで、弁理士の仕事を弁理士ではない資格でやろうとする悪質な人間がこれまでおり、ニュースなどで取り上げられてきました。
弁理士の仕事は弁理士の指導のもと以外では基本弁理士以外が行うことはできません。惑わされないようにしましょう。

言葉ひとつで効力が変わってくる特許

特許というのは取れれば良いわけではなく、ある程度「範囲」というものを考えておく必要があります。非常にわかりやすくいうと、特許としてカバーできるのが、特定の商品や物事について「すべて」であるのか、「一部」であるのかです。
この言葉ひとつがあるかないかで、特許権の侵害訴訟等についての勝敗に大きく関わってくることがあります。

この言葉ひとつにどれだけ重点を置いて、注意していけるかが「良い弁理士」と「悪い弁理士」の差であると考えられています。
良い弁理士ほど、一言一言に意味を持たせ、無意味な特許を取得しないようにし、なおかつ最大限の効果を発揮していけるようにします。
悪い弁理士ほど余計な範囲の特許を取得させる、あるいは限定しすぎて意味がなくなってしまう取得の仕方をしていきます。

・余計なことを書かないことに専門性が現れる

一般の人も特許について勉強し、自分で特許をとろうとする人も当然います。しかし一般の人がやってしまいがちなことというのは、「余計な言葉をつけてしまいがち」というものです。
上述したように余計な言葉をつけていくと、特許として効力が弱くなってしまい、意味を持たなくなってしまいます。

この余計なことをどれだけ書かないで済むかというのは弁理士の専門性と考えていくこともできます。
しっかりと勉強し実務を経験すれば、これができるようになるかというと、そうでもなく、確実にポイントを押さえていける指導者の指導を受けていくことも必要です。
余計なことを書いて、「悪い弁理士」と思われてしまう人は実は少なくないのが現状です。

終わりに

弁理士としての仕事は多岐にわたります。ただ、すべてをこなすというよりも、焦点を絞ってこなしていくことが多いです。
弁理士として・・・専門家として生き残っていきたい場合、「弁理士に依頼をするメリット」を確実に仕事の中に残していかなければいけません。
このメリットがなければ、弁理士として仕事をし続けていくことは現代の弁理士状況では非常に厳しくなります。

数多くの弁理士、事務所が存在していく中で、「幅広く行う」よりも「狭く深く」行い、「特定の分野」であれば他の弁理士には負けないというくらいになっていたほうが、今後活躍していくためには有利ではあります。
ただ、幅広く対応できたほうが有利になる場面もあり、このあたりは依頼人のニーズによって大きく変動していくことが予想されます。

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