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年齢弁理士転職

弁理士の転職年齢

2022年5月13日
interview

公開日:2019/01/08 | 最終更新日:2022/05/13

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弁理士は、社会人が取得する可能性が高い資格と言えます。特許庁が公開している令和3年度弁理士試験の統計を見ると、合格者の約9割が実際に何らかの職業を持った社会人となっています。中でも、会社員及び特許事務所勤務の合格者だけで全体の約75%を占めています。
そのため、合格者の平均年齢が高く、37歳となっています。よく比較される司法試験と公認会計士試験の合格者の平均年齢は、共に20代ですので、かなり差があります。司法試験等の合格者は、合格後に「転職する」というより「就職する」という方が多いでしょう。
このような背景が弁理士の転職事情、転職年齢にも影響を与えています。今回は、弁理士の転職について、事例を挙げながら、転職年齢に焦点を絞って見てみましょう。

1.転職年齢が20代の場合

前述の令和3年度弁理士試験の統計を見ると、合格者の最低年齢は20歳となっています。そして、20代の合格者数はわずか46人で、このうち学生が7人含まれていることを考えると、20代での転職者数は、それほど多くないでしょう。
20代の弁理士は、弁理士試験合格後5年経っていないことがほとんどですので、実務経験自体は多くなく、転職先においても弁理士資格を持った有望新人のような扱いになると考えられます。

転職先としては、特許事務所だけでなく、企業も一般的です。また、この年代であれば、弁理士資格だけで満足せず、司法試験を受けたり、外国の弁護士資格を取得する場合もあります。その関係上、外国の特許事務所に移る弁理士もいます。

【20代弁理士Aさんの事例】
大学を出て、大手特許事務所に商標担当者として入所。弁理士試験に合格するまでは、商標調査業務のみを行っていた。弁理士になってからも、希望する出願業務に就くこともできず、給与面でもほとんど変化はなかった。そのため、他の特許事務所に転職した。20代であったため、新たな特許事務所では出願業務に限らず、商標案件全般を担当することができるようになった。また、特定侵害訴訟代理業務試験の受験に関する費用も新たな事務所に負担してもらい、先日、合格後初の訴訟業務も経験することができた。
 

2.転職年齢が30代の場合

合格者の平均年齢は37歳ですが、年代別では30代の合格者数が最も多く、40代・50代の合格者もそれなりの人数がいることを考えますと、より詳細に見た場合、合格者が最も集中しているのはおそらく30代前半から半ばでしょう。そのため、転職するのはやはり30代が中心になると思われます。転職先にとってもある程度経験を積んだ将来性豊かな弁理士の入社を歓迎するでしょうし、弁理士本人にとってもステップアップに適した環境・年齢であると考えられます。
AI・IoT時代を迎え、知財に関する人材を企業や特許事務所が求める中、逆に弁理士合格者数は減少傾向にあり、人手不足になっていますので、30代の弁理士は引く手あまたではないでしょうか。
特許事務所への転職が最も多いと思われますが、企業から他の企業に転職する弁理士も少なくなく、企業でも30代の弁理士は受け入れることが多いようです。

【30代弁理士Bさんの事例】
企業で知財業務を担当していたことから、弁理士資格に興味を持ち、受験を決意。30代半ばで弁理士試験に合格した。それまでは、特に転職するつもりはなかったが、弁理士が集まる会合や勉強会に参加していろいろな人と話をしているうちに、特許事務所の業務、特に特許明細書作成業務に興味を持ち始めた。そして、ある特許業務法人のパートナー弁理士から誘いを受け、転職を決意した。まだ転職直後だが、丁寧に指導してもらっており、非常に充実した気持ちで現在の業務に行うことができている。

3.転職年齢が40代の場合

他の業種でも「35歳限界説」が過去のものとなり、著しい人手不足から年齢制限なく広く社会人経験者を募集する時代になったことから、40代弁理士の転職事情もここ数年で大きく変わりました。5年ほど前までは、特許事務所等がOJTの手間を惜しんで、40代弁理士の転職は非常に厳しいものがありました。しかしながら、小泉元首相が掲げた「知財立国」の下、弁理士10,000人の目標が達成され、今後は弁理士試験の合格者数の増加は見込めないことから、40代弁理士でも積極的に採用する特許事務所等が増えています。
転職先としては、やはり特許事務所が最も多くなっています。中小企業であれば、40代弁理士を受け入れて全て任せるところもあるようですが、大企業になると転職するのはさすがに難しいと思われます。

【40代弁理士Aさんの事例】
弁理士試験に合格したのは約10年前で、仕事内容等に不満があったが、当時は合格者数も多く求人も少なかったため、30代後半のCさんはなかなか転職することができず、半ばあきらめていた。しかしながら、最近の求人の多さと、年齢制限があまりないことを知り、ある特許事務所に応募してみた。これまでの経験を考慮し、仕事内容はほぼ同じという話であったが、給与面が大幅に改善されることが分かったため、Cさんは転職を決意した。

※関連詳細記事
年代別弁理士転職市場動向(40代)

4.転職年齢が50代以上の場合

弁理士とはいえ、50代以上になるとさすがに転職事情が一変します。一般的な求人に応募しても不採用になることがあります。未経験者に転職はほぼ不可能だと思われます。何か企業等に貢献できる強みが必要でしょう。例えば、知財部に所属して数十年間企業の知財活動に貢献してきた、とか、特許事務所でずっと特許明細書に関する実務に携わってきた、特許庁の審査官をずっと務めてきた等の独自の強みです。こうなると、紹介や引き抜きによる転職が多くなると思われます。基本的に、それなりの地位を用意された転職の仕方になると思われます。
さもなければ、20代から40代の弁理士を採用する方が転職先にとってメリットが大きいからです。

【50代弁理士Dさんの事例】
Dさんは、企業に勤務していた30代の時に弁理士試験に合格し、特許事務所に転職した。それから約15年、仕事内容にも待遇面でも不満はなかったが、特許事務所の所長が交代し、事務所の方針が大きく変わったことから不満を抱くようになり、転職を考え始めた。現在の求人状況でも50代での転職はなかなか難しかったが、大学時代の後輩である弁理士の紹介で、ある特許事務所に転職することになった。給与面では若干下がることになったが、新たな特許事務所は働きやすい環境で、Dさんは転職を選択して良かったと感じている。

※関連詳細記事
50代弁理士の転職市場動向

5.まとめ

弁理士の転職年齢は幅広く、ある意味、士業では珍しいかもしれません。昨今の働き方の多様化の影響で、さらにその傾向が強くなった気がします。また、転職を決意する時期も人によって異なります。最も多いのは、弁理士試験に合格して自分の力を試したくなる合格後10年以内ですが、合格直後に転職したり、事務所の状況の変化により転職を決意する場合もあります。
数十年前のように、独立しても転職しても将来はまず大丈夫、という状況ではなくなりましたが、最近の合格者数の減少が影響して、現在でも一定の求人のニーズがあるのは間違いありません。
とはいえ、年代別で転職の可能性や転職先の選択肢等は異なります。30代であれば選択肢が多く、色々な可能性があるだけに、自身が今後どのような選択をするべきなのか、悩む事もあるかもしれません。40代や50代もそれぞれ悩むポイントがあると思います。また年代に関わらず、これまでの経験値などによっても大きく変わる部分もありますので、弁理士専門の転職エージェント等の第三者的立場の方に今までの経験値や今後の可能性等を客観的にアドバイスしてもらうのも手でしょう。

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