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知財資格転職

知財業界の転職で有利又は必要な資格・経験について

2020年6月10日
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公開日:2018/08/15 | 最終更新日:2020/06/10

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知財業界は、既卒者として入ってくる人が多いため、転職において、実務経験者と未経験者が混在しています。事務所内・会社内における担当業務によっては、実務経験者や資格保有者が有利になる場合もあります。今回は、知財業界の転職において、有利な資格や必要な経験等について見ていきましょう。

1.有利・必要な資格

(1)弁理士資格(未登録者も含む)
知財業界で中心になるのは、もちろん弁理士です。弁理士の質及び量は、事務所の力を示すものですので、弁理士資格は最も有利な資格と言えるでしょう。弁理士の登録料が安くないために、転職前の事情により弁理士試験に合格しても未登録のままの人もいますが、通常は、転職後に登録手続を行うことになりますので、全く問題はありません。

(2)特定侵害訴訟代理業務の付記弁理士
特定侵害訴訟代理業務試験は、弁理士のみが受験できる試験です。弁理士が、特定侵害訴訟代理業務試験に合格し、その旨の付記を受けると、いわゆる付記弁理士になることができます。所定の要件はありますが、付記弁理士は、知財の侵害訴訟において、「代理人」として手続を進めることが可能になります(付記弁理士でない場合は、「補佐人」にしかなれず、訴訟手続において様々な制約があります)。
付記弁理士であれば、訴訟に関する知識も豊富で、知財に関する侵害訴訟以外の訴訟手続にも長けていると判断されますので、転職にも有利に働きます。

(3)英検・工業英検・知的財産翻訳検定・TOEIC
知財業界は国際的な業務を行うことが多いので、英検準1級以上合格者やTOEIC高得点者等は、転職に有利な資格と言えます。具体的には、事務員の仕事であれば、外国代理人の来所時の対応などが考えられ、外国部所属の所員の仕事であれば、英文レターの作成・送受信、電話対応、相互訪問時の対応・通訳などが考えられます。
また、工業英検や知的財産翻訳検定を取得している場合は、特許明細書の翻訳者としての転職に役立つかもしれません。

(4)外国弁護士資格
最近は、外国、特に米国の特許弁護士資格を持っている人もいます。このような人は、アメリカの特許実務に詳しい人物として、アメリカへの特許出願案件が多い特許事務所に採用されやすくなるでしょう。また、英語でのコミュニケーションにも強いと判断されます。
ただし、現段階で、外国弁護士資格を持っている人を募集する特許事務所は、それほど多くはありません。外国の現地代理人に対応させればいいので、特に必要はない、と考える事務所が多いからでしょう。 

(5)知的財産管理技能士
知的財産管理技能士とは、国家試験である知的財産管理技能検定に合格した人のことであり、知的財産管理技能検定のホームページでは、「企業や団体の中にいながら知的財産を適切に管理・活用して、その企業や団体に貢献できる能力を有する人」と説明されています。
つまり、知的財産管理技能士は、知財の基本的な知識を持っている人として、特許事務所というよりは企業等において、自社の知財管理に当たるという仕事になるでしょう。転職先としては、企業の法務部や知財部、または、特許事務所の事務員などが中心になると思われます。
そのため、この資格を持っている人が特許事務所の実務担当者になることを希望するのであれば、少なくとも弁理士試験を受験して弁理士を目指すことを求められることが少なくありません。

ただし、等級によっては実務経験が必要であり、実務に即した試験もあったりと難易度は異なりますので、実務経験内容や等級によって特許事務所でも評価を得られる可能性もあります。

(6)その他の資格
上記以外に知財業界の転職で有利になる資格はあまりありません。あえて言うなら弁護士資格ですが、中小規模の特許事務所では、入所してもすぐに他の法律事務所等に移るのではという警戒感があり、所内での扱いに苦慮することも少なくないでしょう。弁護士としても、弁理士に使われるという立場に長く身を置くことは難しいと思います。
このような事情から、弁理士数が50名を超えるような超大手特許事務所に弁護士数名
という状況ならともかく、弁護士資格が転職に有利に働くことは多くないかもしれません。

2.有利・必要な経験

(1)弁理士試験受験生
弁理士資格を持っていれば、もちろん転職には有利ですが、弁理士試験の受験生であっても、将来の弁理士候補として、また、それなりの知的財産法の知識がある者として、転職に役立つと考えられています。1次試験である短答式試験の合格者であれば、さらに有利でしょう。

(2)特許明細書作成実務経験者
知財業務においては、特許明細書の作成業務が中心になります。特許事務所に限らず、最近は企業でも特許明細書の作成を自社で行うところが増えています。
そのため、特許明細書作成実務の経験者は、転職において有利な経験を持っていると言えるでしょう。

(3)企業での研究・開発経験者
知財業界へ転職する方の中には企業での研究・開発経験者は多くいます。研究・開発経験を経て知財・特許に興味を持つ事は不自然ではありません。研究・開発の過程において、特許に関連する仕事(特許出願や特許調査、鑑定や訴訟対応等)にも間接的でも関わっていれば、評価はされやすいでしょう。

(4)外国案件経験者
弁理士の中には外国案件が苦手、という人が少なくありません。弁理士に限らず、士業は毎年のように変わる法律や実務の理解・習得など、日常業務以外にもやらなければならないことが山積しているのが現状です。
そのような状況下で、外国の実務を行ったり、英語の勉強するのは負担が大きすぎるというのが原因になっているようです。
そのため、外国案件経験者は転職において有利になります。特に、日本の出願件数が減少する一方、外国の出願件数は増加していることからも、今後もこの傾向は続くと思われます。

(5)商標案件経験者
弁理士は「理系の資格」と言われるように、その大部分は特許担当者になっています。特許担当者でも商標案件を代理している場合が少なくありませんが、実は商標も奥が深く、審査実務だけでなく審決例や裁判例も熟知している必要があることから、商標案件経験者を希望する特許事務所も多くなっています。
商標は、特許案件では行わないような国に出願することも多いですので、外国における商標登録出願の知識があれば、より有利であると言えるでしょう。

(6)訴訟手続経験者
訴訟手続を行うのは、特許事務所内では弁理士に限られますが、件数自体があまり多くないために、そのような手続の経験者は転職において有利になるでしょう。
たとえ、訴訟には発展しなくても、訴訟に関するあらゆる措置及び手続、例えば、警告状対応、仲裁・調停、和解などの説明を的確に行うことができ、事案に適した、当事者にとってよりよい解決策を見出すことができるからです。したがって、訴訟手続経験者は特許事務所にとって、大きな戦力となり得ます。

(7)外国留学等経験者
外国に留学したり、外国の現地特許事務所で働いた経験がある人は、外国とのやり取りで力を発揮できることが多く、特許事務所としては欲しい人材の一つです。
特に、現地特許事務所で働いた経験は、日本と異なる現地の実務についての判断を行う場合に大きな力になるでしょう。

(8)特許事務経験者
特許事務経験者は、受領書類の内容確認や期限管理などを行い、裏方ながら非常に重要な役割を担っています。ある程度の法的知識も要求されます。
そのため、特許事務経験者は、そのような仕事を任せることができる貴重な存在として、転職に有利な経験を持っていると言えるでしょう。

3.まとめ

いかがでしょうか?十年ほど前まで知財業界は出願業務等の限られた範囲の仕事を行っていましたが、国際化、技術標準化、AIやIoTに代表される第4次産業革命などにより、最近は業務が多様化しています。知財コンサルティングを行う弁理士が増えているのもその一環でしょう。
ご紹介した資格・経験をお持ちの場合は、知財業界に活躍の場を求めてみるのも一考かと思います。

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