国税局出身者の転職について
公開日:2017/04/20 | 最終更新日:2017/04/20
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税務署に23年間勤務すると税理士試験が免除され、税理士資格が付与されます。
国税局や税務署出身の税理士は豊富な税務調査の経験があり、税務調査対策に強みを持っています。税務調査の手続きと対策、国税局出身税理士の特徴、求人例について、確認してみましょう。
税務調査の手続き
税務調査の手続きは、以下の手順で行われます。
⑴事前通知
税務調査に際しては、原則として、納税者に対し調査の開始日時・開始場所・調査対象 税目・調査対象期間などを事前に通知します。その際、税務代理を委任された税理士に 対しても同様に通知します。
なお、合理的な理由がある場合には、調査日時の変更の協議を求めることができます。
ただし、 税務署等が保有する情報から、事前通知することにより正確な事実の把握を を困難にする 、又は調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合には、事前に通知せずに税務調査を行うことがあります。
(参考1)
税理士法に定められている書面添付制度に基づく書面が申告書に添付されている場合 には、納税者に税務調査の事前通知を行う前に、税務代理権限証書を提出している税理士に対して添付された書面の記載事項に関する意見陳述の機会が与えられます。
(参考2)
税務調査の際には、税務代理を委任した税理士に立会いを求めることができます。
⑵身分証明書の提示等
税務調査のため、調査担当者が事務所や事業所等に伺う際には、身分証明書と質問検査章 を携行し、これらを提示して自らの身分と氏名を明らかにします。
⑶質問事項への回答と帳簿書類の提示又は提出
税務調査の際には、質問検査権に基づく質問に対して正確に回答してください。また、 調査担当者の求めに応じ帳簿書類などを提示又は提出してください。なお、質問事項に対し偽りの回答をした場合若しくは検査を拒否した場合、又は正当な理由がなく提示若しくは提出の要求に応じない場合、あるいは、偽りの記載をした帳簿書類の提示若しくは提出をした場合などについて、法律に罰則の定めがあります。
(注) 質問検査権行使の一環として、調査担当者が帳簿書類などの提示又は提出の要求をできることが法律上明確化されています。
(4)帳簿書類の預かりと返還 調査担当者は、税務調査において必要がある場合には、納税者の承諾を得た上で、提出された帳簿書類などをお預かりします。その際には、預り証をお渡しします。 また、お預かりする必要がなくなった場合には、速やかに返還します。
(5)取引先等への調査
税務調査において必要がある場合には、取引先などに対し、質問又は検査等を行うことがあります
(6) 調査結果の説明と修正申告や期限後申告の勧奨
税務調査において、申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合には、調査結果の内容(誤りの内容、金額、理由)を説明し、修正申告や期限後申告(以下「修正申告等」といいます。 )を勧奨します。
また、修正申告等を勧奨する場合においては、修正申告等をした場合にはその修正申告等 に係る異議申立てや審査請求はできませんが更正の請求はできることを説明し、その旨を 記載した書面をお渡しします。
引用元:
https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/pdf/01.pdf
税務調査の際には、税理士の立ち合いが認められています。ここで、税務調査経験のある国税局出身の税理士が立ち会うことで、強みを発揮します。なぜなら、国税局出身の税理士は、税務調査の進めかたや調査官の特徴などのノウハウを知りつくしているからです。よって、国税局出身の税理士は税務調査の交渉力もあり、顧客にとっては、安心感もあります。
国税局出身税理士を顧問税理士にするメリットと注意点
全国7万人弱の税理士の30%ほどが、国税局出身の税理士といわれています。国税局出身の税理士は税務調査の経験が豊富であることがメリットです。
ただし、国税局出身者は、専門畑が決まっている人が多く、それぞれ得意分野が決まっています。よって、自分が関連する税金に詳しい国税局出身の税理士を顧問税理士にできれば、最適であり、選別する際は、プロフィールをよく確認するべきでしょう。
例えば、個人事業主やフリーランスの場合は、所得税に強い個人課税部門の経験がある税理士、法人企業であれば、法人税や消費税に強い法人税課税部門の経験がある税理士ということです。
国税局出身税理士の求人例
国税局出身者を対象とした求人です。特に資産税・国際税務の分野で強みを持つ方で、これまでの税務調査の経験を企業サイドにて活かしていきたい方を求めています。
ポジション コンサルタント【国税局出身者限定】
仕事内容
専門分野に長けたメンバーがチームをつくり、それぞれ自身が得意とする分野の視点で分析し、お客様にとってトータル的に最適なタックスプランを提供頂きます。
国税当局で培われたグレーゾーン(裁量案件)の知識と経験をそのまま活かすことができる業務です。
・税務相談
・税務調査の事前対策、指導
・税務調査立会い
・税務調査終了後までの税務署との折衝
・クライアントやクライアント候補企業に対するセミナーの開催、コラム執筆 等
※国税局でのご経験を活かして、クライアントに対して調査手法や調査官の視点に関する説明、調査進行時のサポート、予測される調査ポイントに対する対策、想定問答に基づくアドバイスなどを行って頂きます。
※セミナー開催についても、当法人が非常に力を入れている分野ですので、セミナー講師として、ご活躍頂くことも期待しています。
必要な経験・能力
【必須条件】
・国税局出身
・お客様に最適なサービスを提供したいというホスピタリティー
募集職種名 税務総合戦略室 税理士 国税局出身者向け
仕事詳細
■職務内容:
同社では国税局OBのプロによる『税務総合戦略セミナー』や『税務リスク防衛サービス」などを行っております。元国税調査官が税務調査を始め、海外投資、国際税務、消費税、移転価格、相続税、事業承継、自社株等について、課税側の視点ならではの情報をお話しする税務対策講座の講師や、税務コンサルティングを行っていただきます。
■同社の特徴、魅力:
・ご自身の専門分野には自信があっても、幅広くすべての税金に対応しなければならない税理士業は不安だと感じていらっしゃいませんか?
同社ではその心配は無用です。足りない部分はプロフェッショナルなメンバー全員が専門分野を駆使し補い合う環境ですので、国税局でのご経験で磨き上げた専門知識を活かし即戦力としてご活躍頂けます。
・配属部署となる税務総合戦略室のメンバーはすべて国税局出身です。各専門分野を持った他のメンバーから多くのことを学ぶことが可能です。
・非常に明るい雰囲気の中、メンバーの皆様は、人の役に立つ・人に喜ばれる仕事を行う一員として生き生き働いておられます。
・30年を超える歴史を持っており、全国400社以上の会計事務所の経営コンサル業務によって培ったノウハウを活かし、新しいサービスを次々に生み出しています。
・女性比率が高く、女性で活躍している方が多くいます。
給与・年収
【年俸】
360万円〜800万円
※経験・能力を考慮の上、決定します。
■昇給:年1回
まとめ
税金を課税する側の立場や税務調査のノウハウに関しては、税理士資格のある人でも知り
尽くしている人は少ないでしょう。
国税局出身の税理士でメンバーを揃えている税理士法人は、どの税金の分野にも対応できるチームで編成を行っています。いわば、税務調査対策のスペシャリストの集団であり、企業にとっては、国税局や税務署と対決する際には、強い味方となります
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