SACTサムライマガジン
企業内税理士

企業内における税理士の役割

2018年1月22日
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企業内における税理士の役割とありかたについて、会計事務所における税理士との違いを確認してみましょう。

会計事務所と民間企業の経理の違い

会計事務所において、税理士は、顧客の決算書作成や税務申告書作成の代行業務を行っています。また、顧客に対して、経営計画を策定し、業績改善のためのアドバイスを行う立場にあります。
企業内の経理部は、自社の経営者に対するサービスを提供する立場になります。よって、将来のその企業の事業展開に役立つデータや資料をまとめていくのがメインとなります。
専門的な会計や税務などのサービスを提供し、顧客に喜んで頂きたいという人は、会計事務所が向いているといえます。一方で、特定の会社の数字にこだわり、組織が抱える課題を、着実に解決していくような人は企業内税理士として従事するのに向いているといえます。そして、雇用面の違いです。

会計事務所の場合は士業であり、経験と資格があれば、独立出来ます。また、専門性を追求して転職をする人が比較的多い業界であるともいえます。
一方で、民間企業の場合は、入社してから定年まで勤務することが前提になっていることが多く、職位や年齢で、適切な仕事を会社からの指示で行うことができます。そして、将来的には自社の事業や経営を任せられる人材を育て上げることを意図したキャリアプランが立てられています。
このように、民間企業と会計事務所では、雇用面が異なります。会計事務所の職員は一人で多くの顧問先を担当することが多いため、一社あたりに割ける時間は短くなります。よって、税務・会計・総務などの分野に関して、効率的に業務を行い、顧客にサービスを提供する能力が求められるといえます。

企業内税理士としての登録

企業内の税理士の場合、税務に関する知識が必要なことはありますが、正式な税理士資格が必要とされるケースはあまり、ないといえます。自分が勤務している会社の法人税申告書に税理士登録していない場合、正式に税理士としてサインをすることができません。
しかし、将来的に税理士事務所に転職するか、独立するかを考えたときには、税理士登録する必要があるでしょう。
税理士登録している人といない人では、意識の違いがあります。
税理士登録している人は、以下のような意識を持っています。

・専門家として勉強し続けなければならないと意識できる
・会社の許可が得られれば税理士業務を行える
・税理士という資格を示すことで、緊張感を持ち、業務を行える

税理士登録していない人は、以下のような意識を持っています。

・税理士業務を行う予定がないので、登録する必要がない。
・会社の許可が得られないので、登録できない

また、税理士登録するにはいくつかのデメリットがあります。まずは、登録費用や年会費がかかることです。
具体的には、以下のようになります。

・登録料 11万円(登録免許税6万円、登録手数料5万円)
・税理士会の年会費 約16万円(支部により異なる)

税理士登録の申請及び審査、実務経験に関して日本税理士会連合会では以下のように定めています。

(登録の申請)
税理士となる資格を有する者が、税理士となり税理士業務を行うためには、日本税理士会連合会に備えてある税理士名簿に登録を受けなければならないとされています。

(税理士法第18条)
この税理士名簿の登録を受けるためには、登録免許税の納付とともに登録申請書等必要な書類を、税理士事務所を設けようとする所在地の区域の税理士会へ提出する必要があります。

(実務経験について)
税理士となる資格を有する者のうち、
1. 税理士試験に合格した者
2. 税理士試験を免除された者については、2年以上の実務経験が必要とされています。(税理士法第3条)
この実務経験の内容については、租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものと規定されています。また、実務経験として申請する期間は試験合格又は試験免除決定の前後を問いません。「租税に関する事務」とは、税務官公署における事務のほか、その他の官公署及び会社等における税務に関する事務をいいます。「会計に関する事務で政令に定めるもの」とは、貸借対照表勘定及び損益勘定を設けて計理する会計に関する事務をいい、特別の判断を要しない機械的事務を除く会計事務をいいます。なお、実務経験に該当するか否かは、登録申請書及び在職証明書等が提出された後、税理士会の調査(面接等)の段階で個別に判断することになっています。
引用元:http://www.nichizeiren.or.jp/prospects/entry/howto/
税理士登録を行う場合は、これらのコストや実務経験に関する点を踏まえて、登録するべきかどうかを検討する必要があります。

企業内税理士に求められるもの

企業は、税理士法人や税理士事務所と顧問契約を結んで、アドバイスを求めてきます。
よって、企業内に税理士がいるメリットは、顧問税理士に毎回、依頼するよりも社内で完結でき、コスト面が抑えられることです。また、連結処理や海外子会社での各国の税務対応がある場合は、企業内税理士がいるほうがいいといえます。このように、企業内税理士には、会社の業種や状況に合わせて、会社として適切な税務処理を行えるよう、関連知識の習得を求められるケースが多くあります。
また、企業内税理士有資格者には、コンサルタントの役割が期待され、企業に従業員として所属している分、企業機密の情報を外部の税理士よりも多く入手でき、社外の税理士よりもその企業に即した経営戦略の立案ができます。さらに企業内税理士は、財務や税務の専門家として、M&Aや事業再編など、活躍のフィールドが広がってきています。 よって、企業内税理士には、その企業の経営者のパートナー的な存在としての役割が求められているといえます。

年代別企業内税理士の需要

20代の民間企業の求人では、税理士合格者かつ会計事務所経験者であれば優遇される場合が多いです。しかし、受験中の方だと特に優遇されることは無いでしょう。
20代では、経理実務の経験とポテンシャルを重視される傾向があります。また、上場企業の経理部門で働いた経験があって転職する場合は有効であるといえます。
また、民間企業に転職すると、経理財務部門に配属されるケースが多く、業務内容としては財務会計もしくは管理会計の部門で就業します。よって、将来どのような税理士を目指すかなど、民間企業で働く目的を明確にして転職活動を行うべきでしょう。
経理の実務経験の上に、英語力がある税理士資格者の場合、海外取引に関わる税務業務や移転価格税制の分野で、グローバル展開をしている大企業であれば、活躍できるでしょう。

30代の民間企業の求人では、税理士資格者の求人は、その企業がどのようなレベルの企業であるかなどで、求める人材が変わってきます。
上場企業では、大手メーカーや商社、海外拠点を持つグローバル企業で英語力のある税理士資格者の求人が増えています。特に、民間企業の管理部門で就業した経験があると有利です。なぜなら、大手企業の経理財務部門は財務会計だけでなく管理会計を重視しているからです。また、大手のメーカーの場合、移転価格や国際税務経験者が求められる傾向があります。
よって、税務のスペシャリストとして税理士事務所経験のある税理士を採用するため求人に出されることがあります。
40代以上になると、求人レベルも上がります。具体的には、税理士法人出身者で国際税務を十分に経験している人、上場企業の経理財務部門マネージャー経験者などが、企業内税理士としての求人レベルを満たしているといえます。

まとめ

企業内税理士には、税理士資格者であること以外に一人の企業人であることが求められます。会計事務所内での税理士は社外の全ての取引先は顧客ですが、企業内税理士は経営者が顧客です。よって、会社組織の中で、経営者に対して、どのようなサポートができるかを念頭に置いて、転職活動を行い、就職した後も企業内税理士として行うべき役割を意識して、業務にかかわるべきでしょう。

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