弁理士の独立事情について
公開日:2016/08/07 | 最終更新日:2016/11/14
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先月弁理士試験短答式筆記試験が行われ、間もなく合格発表となります。今年度の弁理士試験受験者も例年より少ない人数となりました。受験者は年々減少傾向にあり、今後の動向が気になる所です。
弁理士試験を受験されている方や既に資格を取得されている方の中には、独立を考えている方もいらっしゃると思います。今回は弁理士の独立事情について、触れていきたいと思います。
・顧客獲得が大きなハードル。権利化業務以外で売上を担保出来るかが鍵
独立される弁理士の多くは、特許事務所勤務験を経て、仕事のやり方や営業のやり方、経営について等学んでから独立するケースがほとんどようです。
特許事務所ではほとんどが大手企業数社からの出願依頼を受ける事で経営が成り立っています。独立した場合、今まで担当していた企業の依頼をそのまま持っていける事は難しいのが現状です。特許事務所からすれば、クライアントを持って行かれるのは死活問題ですし、クライアント側も大手企業がメインとなりますから、そう簡単に担当が変わったからといって、契約する事務所を変更する事など出来ません。
独立から一定期間が経過し、事務所としての信頼を勝ち得た暁に、以前勤務していた特許事務所時代のクライアントと契約が出来た、といった話は聞きますが、その信頼を勝ち得るのに掛かる期間を具体的に見定めるのは難しく、それまでの期間、どうやって生計を立てて行くかはとても大きな課題と言えます。
弁理士の方が独立した場合、特許事務所に定期的に依頼をしていない中小企業等へ営業を掛けて、権利化や知財・特許のアドバイスをする事で生計を立てている方が多いようです。その他、特許調査や知的財産評価も含め、コンサルティング等も行う方、特許翻訳や明細書作成の外注などを受けている方もいらっしゃるようです。
とはいえ、開業後2~3年は売上も安定せず、事務所の経営を軌道に乗せるにはなかなか大変で、万全の準備をする必要があります。
今までのキャリアからどのような仕事が出来るのか、また今後どんな仕事をやってみたいのか、経営を安定させる為に何か必要なのかをしっかりと考え、経営計画書なども作成し、場合によっては創業融資をしてもらうなど、しっかりと計画を練ってから独立する事をお勧めします。
クライアントからの依頼が一定数来るようになれば、事務所の経営は安定し、そう簡単に傾く事は無くなります。そこに到達するまでが最大のポイントとなるようです。
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