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公認会計士監査

公認会計士の監査業務と社会的な位置づけ

2016年12月5日
audit

公開日:2016/12/04 | 最終更新日:2016/12/05

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公認会計士の監査業務は、具体的に何を行うのでしょうか。監査業務の社会的な位置づけと、実際の公認会計士の監査の内容、監査法人での勤務実態について、確認してみましょう

公認会計士の監査業務とは

公認会計士の監査業務は独占業務となっています。公認会計士の監査業務とは、企業が作成した財務諸表を外部の専門家の立場で適正であるかどうかをチェックすることです。企業は、この監査を受け、公認会計士が監査報告書を提出することで、粉飾決算を行っていないというお墨付きをもらいます。監査報告書があることで、投資家は安心して、その企業に株式投資の資金を投下でき、債権者もお金を貸すことができるようになります。

もし、企業の粉飾決算が行われてしまうと、その企業に対して、投資家も債権者もお金を出さなくなります。結果的に、株式市場の健全化が図れなくなり、資本主義経済が成り立たなくなります。よって、公認会計士が財務諸表の監査業務を行うことで、財務諸表の信頼性を確保できるので、公認会計士は資本主義経済の番人的な立場にあるといえます。

公認会計士の監査の種類

公認会計士の監査には具体的にどんなものがあるのでしょうか。

公認会計士の監査業務は、財務諸表の適正性を監査する会計監査がメインになります。
この会計監査は法定監査と任意監査に分けられます。法定監査は、さらに金融商品取引法監査や会社法監査に分けられます。金融商品取引法監査とは、東京証券取引所などに上場している企業はすべての企業が公認会計士の監査を受ける必要があるという規定に基づき、実施される監査です。これに対して、会社法監査とは上場しているかどうかに関係なく、会社法で規定している大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)は、公認会計士の監査を受ける必要があるという監査です。

金融商品取引法監査や会社法監査の対象となる企業は、規模も大きく、株主や債権者などの利害関係者に対して、影響力の大きい企業になります。よって、公認会計士により会計監査を法律で義務づけています。

また、法定監査で、金融商品取引法監査や会社法監査以外の監査としては、学校法人監査や公益法人監査、地方公共団体監査などがあります。これらの監査は最近、注目されている情報公開の問題に対応している監査になります。
さらに任意監査は、企業は資金調達を受けやすくするために行う監査で、企業から自主的に依頼を受けて行う監査になります。
具体的には、株式上場のための監査、企業買収時に被買収企業に対して行う監査があります。

公認会計士による監査業務の実情

公認会計士は監査業務を行うにあたり、クライアントの企業に出向きます。そして、企業が作成した財務諸表をチェックして、その結果に対する意見を表明します。この業務が監査業務になります。この監査業務では、公認会計士は嫌疑の姿勢で臨みます。つまり、その企業に不正を犯すようなことをしていないかというリサーチを行うということです。具体的には、取締役会の議事録や契約書類などをつぶさに調査します。この監査業務で、公認会計士として、財務諸表の裏側にある事実や企業のビジネスの仕組みなどの感覚を養っていきます。

この監査業務では、公認会計士は企業の担当ごとに、チームを組んでいます。よって、監査業務は公認会計士の独占業務ですが、協調性も必要とされます。個人としてのパフォーマンスが高ければ、また別のチームでの仕事の要請も増えていきます。そして、大抵の公認会計士は3年ほどの監査経験で、10社前後のクライアントを担当することになります。

監査業務のメリットとデメリット

公認会計士が監査業務を行うことで生じるメリットとデメリットについて、確認してみましょう。
まずは、メリットです。
公認会計士の監査業務は財務諸表の信頼性を確保する業務であり、社会的に意義の高い仕事です。よって、監査業務は、公認会計士にとって、やりがいを感じやすい仕事であるといえます。

監査業務では、チームを組んで働いており、1人で複数のチームに属することになります。公認会計士は監査業務を通じて、会社内部の情報を知る立場になります。よって、守秘義務がありますが、企業の経営ノウハウや業務について学ぶことになるため、監査業務を行うことで、一般の社会人では知り得ないビジネスに対する知見を得ることになります。また、公認会計士は、監査業務を行う際に監査法人の経営陣と接する機会が多い仕事になります。これも一般の社会人では経験しえないことです。

監査チームの中に共同経営者のパートナーがいる場合もあります。監査法人の経営陣の仕事ぶりを間近で見れるのはいい経験になります。そして、クライアントの企業の経営陣とも接することが多いです。

このことで、上場企業の経営者の考えかたを学ぶことができ、人間性を高めることにつながります。さらに、監査法人は全国各地の企業をクライアントとしています。監査業務はクライアントに出向いて行うため、出張が多くなります。この出張では気分転換を図ることもできます。監査法人の事務所は東京に集中していますが、地方にも事務所はあります。
監査法人の場合、一般の社会人とは異なり、強制的な転勤はないです。したがって、腰を落ち着けて、業務が行えます。
そして、デメリットです。

公認会計士の監査業務は前述したように、社会的な意義の高い仕事です。ただし、クライアントは上場企業であり、社会的責任が重い仕事でもあります。
具体的には、その企業の粉飾決算を発見した場合、上場廃止となり、結果的には倒産状態となる可能性もあり、その企業の社員や家族に影響を及ぼすことにもなります。したがって、監査業務は強い正義感を持って、臨む必要があり、他の一般の社会人の仕事と比較して精神的な重圧がある仕事といえます。

また、監査業務を行う上では、クライアントに対して、様々な資料を要求することになります。よって、クライアントから煙たがられる存在になるといことです。公認会計士が監査業務を行っている間は経理部の人たちは対応に追われて、仕事を中断せざるをえないことになります。そして、公認会計士という立場から必要以上に気を遣われてしまうこともあります。クライアントが先生と呼び、若いうちに勘違いして、天狗になってしまうこともあります。さらに、公認会計士の監査業務では、粉飾決算を事前に見抜けなった場合、会計不正に対するニュースが広がり、世間の風当たりが強くなります。よって、精神的な重圧がかかるといえます。

このように、公認会計士の監査業務には、メリットとデメリットがありますが、一般の社会人と同じく、常識を持って仕事に臨み、経営陣と接する際はビジネスに対する姿勢を学ぶようにすれば、監査業務は、付加価値の高い仕事であるといえます。

まとめ

公認会計士の監査業務は社会的責任が重い仕事であり、調査する資料も多く、地道な作業を行うことになります。しかし、監査業務はチームで行うので、仕事を行う上で達成感を共有しやすいといえます。また、クライアント先の経営陣との対話も経験でき、貴重なビジネスモデルやノウハウを知ることができます。
監査業務において、真実を見抜く目を養うことが大事であり、それによって一人前の公認会計士となります。監査業務で身つけたスキルは、将来的に監査以外の業務を行う時にプラスの材料となっていくでしょう。

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