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連結決算

連結決算業務

2018年2月21日
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上場企業では、規模の小さいところは個別財務諸表のみで決算を行っているところもありますが、ほとんどの企業はグループ企業であるため、連結財務諸表を作成しています。ここでは、連結決算について確認してみましょう。

連結決算

連結決算とは、支配従属関係にある企業集団を単一の組織体とみなし、その集団のトップにあたる親会社が、組織全体の財政状態・経営成績を確定し、公表することをいい、そのために作成される財務諸表を、連結財務諸表といいます。
連結決算には主に、通常(1年間)の事業年度ごとに行われる「年度決算」と、四半期(3ヶ月)ごとに行われる「四半期決算」の2種類があります。上場企業は、各四半期末の翌日から45日以内に四半期報告書を、各事業年度末の翌日から3ヶ月以内に有価証券報告書を公表する必要があり、それぞれの中に、連結財務諸表が含まれています。
なお、確報版である有価証券報告書・四半期報告書とは別に、速報版である決算短信・四半期決算短信も公表されています。決算短信は各期末後45日以内、四半期決算短信は各四半期末後30日以内を目安としています。

提出が必要な財務諸表

連結決算に関して、提出が求められている財務諸表は、以下のとおりです。事業年度で発生した取引をもとに、グループ全体の下記書類を作成するわけですから、システムの導入はもちろんのこと、入力する労働力や公表までのさまざまな過程にかかるコストは膨大です。

①連結貸借対照表
②連結損益計算書・連結包括利益計算書
③連結株主資本等計算書
④連結キャッシュ・フロー計算書
⑤上記①~④に関する注記事項
⑥連結附属明細書

連結決算業務における今後の課題

現実問題、連結決算を行うためにはパソコンを使用し、会計ソフト等での入力作業が必要となります。しかし、連結決算特有の会計処理や、連結の範囲、連結処理の方法など、幅広い知識を持っていなければ連結決算そのものを行うことはできません。また、会社の規模にもよりますが、会社内の連結処理のボリュームが多くなればなるほど、複数人の連結処理担当者を置く必要が出てくるはずです。
さらに、日本では、配置転換によりさまざまな業務を経験させるという特性が強いこともあり、連結決算業務に対するスキルを定着させにくいことから、「スペシャリスト」がなかなか育ちにくいことも原因としてあるようです。

以上のような状況を解決するには、担当者ベースでの自己啓発や、後任に対するOJTの充実はもちろんのこと、企業の取り組みとしては、連結セミナー等への積極的参加によりスキル向上を目指すことが考えられます。
結局のところ、連結決算の正確性や迅速性を向上させるには、それなりの予算を組んだうえで(コストをかけて)スキル維持・向上を図ることが必要になります。

連結決算業務は、その複雑な仕組みから、いわゆる「ブラックボックス化」(内部構造がわからない状態)を引き起こしやすく、また、子会社から親会社への情報を流すためのツールである「レポーティング・パッケージ」の作成・連携がスムーズでない場合は、業務効率も悪化してしまいます。
したがって、連結決算業務を効率よく行うためには、業務プロセスの見直しや、アウトソーシングの活用などにより、連結決算業務の難易度そのものを下げ、できるだけ自動化した体制作りが必要になります。

金融商品取引法監査と連結財務諸表

(1)提出書類

①有価証券届出書および有価証券報告書

会社が1億円以上の有価証券の募集または売出しを行う場合、その募集または売出しに関する事項等を記載した「有価証券届出書」を内閣総理大臣へ提出する必要があります(金融商品取引法第4条1項5号)。また、有価証券届出書の提出を行った会社は、事業年度経過後3ヶ月以内に「有価証券報告書」を作成して、内閣総理大臣に提出する必要があります。3月決算の会社の場合は、6月末までに有価証券報告書を提出する必要があります。
提出された有価証券届出書および有価証券報告書は、「EDINET」という電子開示システムを通じ、インターネットで公開されます。つまり、1億円以上の有価証券の募集または売出しを行った場合には、非上場企業であっても、EDINETを通じて財務内容を公開しなければなりません。

②有価証券通知書

金融商品取引法第4条6項では、1千万円超~1億円未満の有価証券の募集または売出しを行う場合、「有価証券通知書」を内閣総理大臣に提出する必要があります。

③四半期報告書・半期報告書

有価証券報告書を提出しなければならない上場会社は、事業年度を3ヶ月に区分した期間ごとに、当該会社の属する企業集団の経理の状況等を記載した「四半期報告書」を、当該期間経過後45日以内に、内閣総理大臣に提出しなければなりません。
また、有価証券報告書を提出しなければならない非上場会社についても、事業年度ごとに、当該事業年度が開始した日以後の6ヶ月間の財務状況等を記載した「半期報告書」を、当該期間経過後3ヶ月以内に、内閣総理大臣への提出が求められます。なお、非上場会社が任意に「四半期報告書」を提出することも差し支えありません。
3月決算の上場会社は、6月末、9月末、12月末のそれぞれ経過後45日以内に四半期報告書の提出が必要です。また、3月決算の非上場会社は、9月末までで中間決算を行い、12月末までに半期報告書を提出しなければなりません。

(2)監査証明

上場されている有価証券の発行会社(上場会社)その他一定のもの(有価証券届出書・有価証券報告書を提出しようとしているもの)が、金融商品取引法の規定により提出する貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類については、その上場会社等と特別の利害関係のない公認会計士または監査法人の監査証明を受けなければなりません(金融商品取引法193条の2)。
したがって、公認会計士や監査法人による監査証明は、上場会社はもちろん、非上場会社であっても、有価証券報告書等の提出会社であれば、その書類に記載されている財務諸表について受ける必要があります。

(3)金融商品取引法監査の負担

・ほとんどの会社で連結財務諸表の作成が必須
・四半期・中間決算の実施が必要
・(連結)キャッシュ・フロー計算書の作成が必要
・根本的な連結会計スキルの所持
・連結開示の実務経験が必要(経験がないことによる有価証券報告書の虚偽記載のリスク)
・多額の監査コストの発生

連結財務諸表作成支援

連結財務諸表の作成をアウトソーシングする場合、下記のような業務を依頼するパターンが考えられます。
・連結子会社から情報を収集する際のレポーティング・パッケージ作成
・連結子会社に対する決算業務の説明会実施
・連結子会社から提出されたレポーティング・パッケージの検証
・連結修正仕訳・連結注記情報の検証
・連結キャッシュ・フロー計算書の検証
・決算短信の検証

まとめ

これまで述べてきたように、連結決算業務については、連結に関する幅広い知識と、さまざまな手続きやコストをかけて連結財務諸表を作成する必要があります。また、有価証券報告書を提出する必要のある規模まで会社が成長した場合、それに伴う監査関係の業務は膨大なものになります。
そうした局面になる見込みが生じたら、早めに対策を立て、内部処理にするかアウトソーシングするかを判断しましょう。そうすることで、監査に耐えうる環境をあらかじめ整えておくことが可能になります。

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