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大手監査法人転職

大手監査法人への転職

2017年6月1日
big-building

公開日:2017/06/01 | 最終更新日:2017/06/01

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大手監査法人を転職の際に選ぶ時に、何を基準として選ぶべきは迷うところかと思います。
BIG4を中心とした監査法人の実態、採用動向などを確認していきます。また、金融庁は監査法人に対して、東芝をはじめとした会計不祥事を今後、防ぐためにガバナンスを強化する動きがあります。このガバナンスの取り組みについても、確認していきます。

大手監査法人の規模

大手監査法人の所属している会計士の数は、上位6法人で、以下のようになっています。
左から、監査法人名、公認会計士である社員 (パートナー)の数、使用公認会計士数、公認会計士資格を 有する者(計) になります。

1 新日本有限責任監査法人    612   2,829   3,441
2 有限責任監査法人トーマツ   567   2,483   3,050
3 有限責任あずさ監査法人    567   2,408   2,975
4 PwCあらた有限責任監査法人   90    756    846
5 太陽有限責任監査法人     60    166    226
6 東陽監査法人         96    65     161

引用元:http://www.fsa.go.jp/singi/governance_code/siryou/20160715/03.pdf

BIG4と呼ばれている新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、PwCあらた有限責任監査法人に所属している会計士の数が多いですが、特に、  
新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人の3監査法人が圧倒的であり、数を競い合っている状況にあります。

大手監査法人の特徴と採用動向

BIG4のそれぞれで特徴は異なりますが、全体的に採用は積極的に行っている傾向にあるといえます。
特に金融機関向けの監査チームは増員の傾向にあります。なぜなら、金融機関は最新の会計基準に従って、会計監査を行う必要があるからです。
また、アドバイザリー部門を強化する動きもあります。この部門は必ずしも、会計士の資格は必要がなく、コンサルティングスキルが求められます。M&AやIFRSなどの新規の案件に関しては、アドバイザリー部門が担当することとなり、今後は監査法人の中でも成長部門となる可能性があります。

大手監査法人のガバナンス改革の取り組み

最近、起きている会計不詳時に対して、金融庁は大手監査法人に厳しい監視の目を向けています。大手監査法人の最近のガバナンス改革の取り組みについて、確認してみます。
BIG4が取り組んでいるガバナンス改革の取り組みは以下のようになっています。

新日本有限責任監査法人

平成28年1月~ ローテーションの強化 – パートナーローテーションの強化
(業務執行社員につき継続監査期間7年・インターバル5年、筆頭業務執行社員につき継続監査期間5年後のノーリターン) – 監査チームの固定化の排除等を目的として、職員のローテーションの導入
平成28年2月~ 過去の不正事案に関する根本原因の分析が適切であるかどうかについて、社外の弁護士等により、 専門的・客観的な観点から検証
平成28年6月~ パートナー・職員の人事評価制度について、監査品質を重視した制度への改定
検討中の事項 – 変化に対応できない社員に対して退職を勧奨する仕組みの導入 – 被監査会社の株主からの意見交換

有限責任監査法人  トーマツ

平成27年4月~ グループ体制の変更 – 監査法人を中心としたグループ体制から、デロイト・ トーマツ合同会社によるグループ経営に移行
平成27年12月~ 経営会議の体制変更 – ガバナンス機関としての位置づけを明確にするため、 「経営会議」を「ボード」に名称変更するとともに、グ ループ、監査法人それぞれにボードを設置 – グループCEO(本邦の公認会計士)と監査法人の包括 代表(本邦の公認会計士)の兼務を解消 – 12名の監査法人ボードメンバーのうち、評議員はボー ド議長を含む8名に増員 – ボード内に常設の推薦・報酬・監査委員会を設置(それぞれ評議員2名以上で構成) – 監査委員会は5名以内(うち2名以内は法人外委員)で 構成
検討中の事項 – 独立した外部の有識者の活用・選任 – 他のメンバーファームからのボードへのオブザー バー参加 – 監査品質に関する報告書の作成・開示

有限責任あずさ監査法人   

平成27年~ – 平成26年度審査会検査における指摘事項について、社内 通達・研修により指摘内容・改善策を周知するとともに、法 人全体のあらゆる階層で根本原因分析を実施し、改善策 を立案
平成27年11月~ 専務理事会における品質管理上の議題に ついての議論時間の確保
平成28年7月~ 経営監理委員会の設置 – 外部委員4名で構成 – 経営陣の求めに応じて経営に関して助言 – 法定監査の品質管理に関する重要事項については事前に理事長から説明を行い、委員からの意見を求める
検討中の事項 – 「監査品質に関する報告書」(仮称)の作成・開示 等

PwCあらた有限責任監査法人

従来より、業務執行の監視機関として監視委員会を設置 - 監査パートナー4名、関連会社のアドバイザリー担当のパート ナー4名で構成(社員総会により選任)、3名以内の外部委 員(決議に不参加)を招聘することも可 - 委員会の下に設置された4委員会(社員評価委員会・監 査委員会・指名委員会・R&Q監視委員会)の活動を通じ て業務執行を監視 平成27年12月~ 「監査品質に関する報告書」の開示
現在 外部の有識者について活用・選任を検討中

引用元:http://www.fsa.go.jp/singi/governance_code/siryou/20160715/03.pdf

東芝の不詳時の影響から、新日本有限責任監査法人は、平成28年は積極的にガバナンス改革に取り組んでいます。不詳時が起きた原因について、社内だけでなく弁護士などの外部の有識者の意見も取り入れています。監査チームも固定化せずにローテーションする体制をとり、監査品質を上げるために、監査品質に関する報告書の開示も行っています。

所属している会計士の数の多さからこれからも、BIG4の監査に対する指針は、監査業界に影響力を与えていくでしょう。よって、今後もBIG4のガバナンスへの取り組みには、注目していくべきでしょう。

大手監査法人の求人例

新日本監査法人の新卒募集に関しては、以下のようになっています。
監査法人として国内最大級の人員を擁する当法人は、監査・保証業務など主たる業務の枠を超え、より多くの優れた会計士を育て上げ、会計のプロフェッショナルとして社会に貢献するという志の高い人材を輩出していくという理念を持っています。また、監査トレーニー制度で学んだ人が会計士として高みを目指すだけでなく、アドバイザリーサービスなどの業務に目を向ける、いずれは当法人から飛び出して活躍の場を新たに求めることも歓迎します。
監査トレーニー制度は未来に向けた挑戦の証でもあります。古い枠組みや秩序を踏襲することなく、新しい風を吹かせられる挑戦者をお待ちしています。

対象者   

公認会計士・USCPA取得を目指す2017年9月までに卒業の方(国内・海外4年生大学対象)

業務内容
 監査(スタッフワーク)

勤務地
東京事務所
給与
当法人の給与規程による
賞与:6月、12月 年2回支給
昇給:年1回 10月
手当:通勤手当(全額支給)、出張手当、時間外手当

その他

【入社時研修】
マナー研修、監査論、監査基本計画作成~監査報告書作成まで一連の流れについて習得。
【研修後の実務】
まずは、先輩会計士のサポートとして、監査業務のサポートを行います。
試験休暇制度や補助金制度等合格するまでは残業は原則ありません。論文式試験に備えた試験休暇制度(~最大2ヶ月)も用意し、休暇の一部を有給休暇として消化可能です。また、受験対策予備校の学費の6割も補助。試験合格時のお祝い金支給もあります。

応募方法
<履歴書>
履歴書に、公認会計士受験経験のある方は短答式受験・論文式についていつ受けたか記載ください。(合否も併せてお知らせください)
USCPAを受験中の方は科目合格の有無をお知らせください。
履歴書は送付でも構いません。

引用元:https://www.shinnihon.or.jp/careers/regular/2016-audit-trainee.html

新日本監査法人では、会計士試験に合格する前から、受験経験者を対象として、新卒者の採用に力を入れています。また、USCPA取得者にも注目しており、国際会計基準対策も視野に入れています。他の大手監査法人も状況は同じですが、若手の採用と教育が課題となっているといえます。

まとめ

監査業界に限らず、若手の人材不足は課題となっています。BIG4では新卒採用に力を入れていますが、今後は会計士の資格者を対象とするだけでなく、アドバイザリー部門対策として、USCPA取得者にも目を向けるべきでしょう。また、大手監査法人の監査のありかたも厳しい目が向けれらており、ガバナンスへの取り組みも強化されていくでしょう。

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