会計事務所の税務業務と監査業務
公開日:2017/03/09 | 最終更新日:2017/03/09
サムライマガジンは士業専門の 転職エージェントSACT が運営するWEBメディアです。転職やお仕事に役立つ情報を配信しています。
会計事務所が行う業務は税務と監査の2つに分かれます。税務は所得税、法人税、消費税、相続税の申告書を作成する業務になります。会計事務所が行う監査は巡回監査と呼ばれており、顧客先に出向いて行うものです。この監査と似ていて、異なるものに税務署の税務調査があります。税務と監査業務は税務署の税務調査とも関連してきます。会計事務所が行う税務と監査について、税務署の税務調査と対比させながら、確認してみましょう。
税務業務
税務業務は税金に関する申告書を作成する業務になります。法人税や消費税の申告書は決算から2ヵ月後までに作成して、税務署に提出義務があるものです。よって、例えば3月決算の会社であれば、5月申告となり、この顧客の担当者は5月までは繁忙期が続く状態となります。
したがって、大抵の会社ではこの業務がメインであり、会計事務所が会社を代行して行っています。法人税や消費税は日常における会計処理が大事です。この処理が正しく行われていないと、結果的に正しい法人税や消費税の申告書を作成できないからです。日常における会計処理に間違いがないかは巡回監査により、チェックします。
また、税務業務として、所得税の申告書作成があります。この申告書は通常、確定申告書と呼ばれ、毎年2月16日から3月15日の時期に行う業務です。決まった時期ですが、個人事業主、法人の顧客である会社の役員の給与や不動産所得がある場合は確定申告の対象となる場合が多いです。そして、サラリーマンでも副業をしていたり、他に所得控除を受けたい場合も対象となり、確定申告の時期は会計事務所は駆け込み寺的な存在となります。
さらに、最近注目されているのが相続税に関する業務です、税務業務としては、相続税の
申告書作成になります。しかし、相続税が発生する例は相続税の改正もあり、以前と比べて増えてはいますが、案件数としては低い状態です。ただし、遺産分割や事業承継の問題は誰でも関係してきます。遺産分割や事業承継に関するコンサルティング業務は今後、増加してくるでしょう。
巡回監査業務
会計事務祖では通常、顧客と顧問契約を結んでいます。前述してた税務業務以外に日常の会計業務が正しく行われているかを監査する巡回監査というサービスが会計事事務所にはあります。
記帳代行業務も会計事務所が請け負っている場合は、この巡回監査のサービスはなくなります。会計事務所の方針にもよりますが、大抵の会計事務所では、顧客による自計化を薦めています、よって、巡回監査のサービスを行っている会計事務所が多いです。巡回監査の内容について、確認してみましょう。
巡回監査の頻度ですが、顧問契約を交わすときに頻度については決めることになります。
大抵は月に1度の月次hが多いです、なぜなら、月次で試算表を作成して、月次の業績を確認することなるからです。
この巡回監査の時に帳簿のチェックを行います。元の書類となる請求書や通帳のコピー、
領収書と突合して、数字に間違いがないかどうかを確認します、また、必要な書類がきちんと保存されているかどうかも確認します。
あた、巡回監査の時には、会社の経理担当者や経営者に対してアドバイスを行います。
日常の経理処理や税務上の扱いで不安な点があれば、相談に乗り、問題点があれば対処していきます。
巡回監査の目的は正しく会計処理が行われているかの確認だけでなく、会社の経営状態を正しく把握するために行います。この経営状況が正しく把握できていれば、決算業務はスムーズに行き、特に法人税の申告業務もスムーズに行きます。また、税務署による税務調査にも冷静に対処することができます。
税務署の税務調査
所得税や法人税は申告納税制度を採用しています。つまり、納税者は自ら所得税や法人税を計算して、納税を行っています。よって、税務署はこの申告が正しく行われているかを調査します。これを税務調査といいます。
税務調査は任意調査と強制調査があります。強制調査は国税局査察部が行うもので、悪質な脱税者に対して行うものです。一般的な税務調査は任意調査になります。
大企業の税務調査は国税局査察部で、中小企業の税務調査は、税務署が行います。
税務調査の対象となりえる会社は前回からの税務調査から年数が経過していたり、売上が増加してるわりには、所得金額が減少しいている場合や経費が多く計上されている場合があります。
税務署の調査官は、税務調査本番までにその会社に対する相当な情報を入手しています。
そして税務調査のポイントも重要部分に絞っており、会社に対する疑問点は全て、上司に報告することになっています。把握している情報の密度は相当に濃いといえます。
この税務調査に立ち会うのも会計事務所の業務です。普段の巡回監査で経営者や経理担当とコミニュケーションをとっていれば、問題なく対処できるでしょう。
会計事務所における業務例
ここで、会計事務所の求人を例に会計事務所における税務や監査業務の内容を確認してみましょう。
(相続業務中心の会計事務所)
①相続発生前
・相続税の試算、分割対策(遺言等)、納税対策
・財産組替コンサルティング業務
・賃貸物件建築時の消費税還付業務
・自社株式をめぐる事業承継対策業務
②相続発生時
・相続税の申告業務
・納税コンサルティング業務
・相続税の延納申請・物納申請業務
・税務調査対応プロテクション業務
・リアルエステートコンサルティング業務
・財産寄附に関するコンサルティング業務
・デューデリジェンス業務
③相続発生後
・相続税の還付請求業務
・相続税の税務調査立会い
・相続後の所得税に関するプランニング
・相続後の法人税に関するプランニング
・共有整理に関するコンサルティング業務
・自社株式の支配権対策プランニング業務
・リアルエステートマネジメント業務
【必須条件】
・税理士資格または公認会計士
・会計事務所での実務経験3年以上
(会計士の場合は税務に関わる案件の経験)
(マネージャークラスの方は豊富な相続業務経験必須)
【歓迎条件】
・資産税の実務経験歓迎
【求める人物像】
資産家には2~3名のチームで対応をしていますので、チームワークを大事に出来る方を重視致します。また、依頼者へ丁寧な説明・対応が出来る方が好まれますので、難しいことを分かりやすく説明できる力、人に好かれるパーソナリティを重視して採用を行っています。またプラス思考で前向きな方を求めています。
相続税の申告業務だけでなく、相続の業務を全般的にプロジェクト形式で請け負っており、かなり相続専門に特化しており、相続コンサル会社といってもいいでしょう。
(税務全般業務中心の会計事務所)
【業務内容】
◾記帳代行、決算
◾税務申告書の作成(法人税、事業税、消費税等)
◾給与計算、社保業務
◾その他、税務・会計等に係るアドバイス
※中小企業やベンチャー企業(スタートアップ~IPO準備会社、IPO後の会社など)を中心とした法人を担当して頂きます。
【求める人物像】
◾税理士事務所、会計事務所での税務実務経験者優遇
◾資格は不問ですが、税理士や法人税法合格者は優遇致します。
税務全般を請負い、中小企業の支援を方針とし、税務だけでなく給与や社会保険の業務のサポートも行っています。
まとめ
会計事務所における税務や監査業務はメイン業務であり、顧客との強い接点も持つためにはとても大事な業務です。この業務がきちんと行われていれば、決算や税務署の税務調査にも冷静に対処できます。
SACT(サクト)では・・
税理士・公認会計士の方への求人紹介・転職サポートを行っています。転職活動のサポートから長期的なキャリアプランのご相談まで承っておりますので、まずは気軽にご相談ください。
税理士の方はこちら 会計士の方はこちら