SACTサムライマガジン
確定申告税理士電子申告

税理士の確定申告業務(電子申告)

2018年1月22日
consulting

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確定申告業務の概要と流れを把握しながら、税理士が確定申告業務(電子申告)において、どのような役割を持つのかを確認してみましょう。

申告納税制度

日本の所得税は、「申告納税制度」が採用されています。
申告納税制度とは、一定期間に発生した所得を、納税者が自分で計算し、納税者が自ら確定申告を行って、その期間の税額を決定し、その税額を納税者自らが納付するという一連の流れをいいます。申告納税制度は、税金の負担がどれだけあったかを自分で感じ、負担した税金がどのように使われるのかを知り、その結果、国政に参加する意欲が高くなる、という目的から設けられています。

このような制度となっていることから、納税者が全員、確定申告をすれば済む話か・・・と言われると、そうではありません。
そもそも、税金の計算体系は大変複雑で、知識のない人にとっては、正しい税額を計算することはできません。また、正確な税額を計算し、かつ、正しい手続きをすべて行ったうえで納税するまでの手間は、相当なものです。
そこで必要なのが、申告業務のプロである「税理士」なのです。税理士は、複雑な税額を正しく計算し、正規の手続きを前提とした、確定申告を行うまでの一連のプロセスを代行することができます。

所得税の確定申告

ここで、個人の税金として代表的な「所得税」の確定申告がどのような制度となっているか、確認しておきます。

(1)概要

所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する手続です。

(2)確定申告をする必要のある人

その年分の所得金額の合計額が所得控除の合計額を超える場合で、その超える額に対する税額が、配当控除額と年末調整の住宅借入金等特別控除額の合計額を超える人は、原則として確定申告をしなければなりません。
しかし、給与の収入金額が2,000万円以下で、かつ、1か所から給与等の支払を受けており、その給与の全部について源泉徴収される人で給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下である人等、一定の場合には確定申告をしなくてもよいことになっています。
また、平成23年分以後は、その年において公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告の必要はありません。
なお、平成27年分以後、源泉徴収の対象とならない公的年金等の支給を受ける者は、上記の適用ができません。

(3)確定申告をする場合に使用する申告書の種類

(申告書A)
申告する所得が給与所得や年金などの雑所得、配当所得、一時所得のみで、予定納税額のない人が使用する申告書です。
(注)臨時所得又は変動所得の平均課税の適用がある場合は、申告書Bを使用します。

(申告書B)
所得の種類にかかわらず、誰でも使用できる申告書です。
(注)土地や建物の譲渡所得や株式の譲渡所得がある場合などには申告書第三表(分離課税用)を、その年の所得金額の計算上生じた損失の金額をその年の翌年以後に繰り越す場合などには申告書第四表(損失申告用)を申告書Bと併せて使用します。

引用元:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2020.htm

上記にあるように、確定申告する必要があるかどうかの判断や、どちらの申告書を使用して申告したらよいのかを見極めるのはかなり難しいものとなっています。

電子申告

近年のインターネットの普及により、行政機関への申請や届出に関しても、インターネットを用いて行われることが進んできました。確定申告についても、その例外ではありません。インターネットでの確定申告のことを、「電子申告」と呼んでいます。
電子申告の導入当初は、納税者本人、または納税者と税理士双方の電子署名が必要であったことから、利用率がなかなかアップしませんでしたが、平成19年1月以降、税理士のみによる代理の電子申告が認められたことから、普及が一気に加速し、現在では所得税のe-tax利用率は半数を超え、今後ますます普及が進んでいくと見込まれています。

電子申告によるメリットは、以下のとおりです。
・インターネット上の手続きのみなので、確定申告の書面を準備する必要がない
・税務署等へ出向く必要がないため、往復する時間や待ち時間などがかからない
・確定申告期間であれば、24時間いつでも申告できる(メンテナンス時間等除く)
・還付の場合、書面による申告よりも早く還付される  など

(電子申告を始める前に準備しておくこと)
・電子証明書の取得
電子申告するためには、インターネット上に作成した確定申告書について、「電子署名」と呼ばれるものを付ける必要があります。そのためには、地方自治体の「公的個人認証サービス」などを用いて電子証明書を取得します(平成28年1月以降、マイナンバーカードに電子証明書を格納する方式に変更)。
・利用者識別番号の取得
e-taxにより確定申告する際は、納税地の所轄税務署長に対し、「電子申告・納税等開始届出書」を提出する必要があります。受理されると、利用者識別番号が通知され、これをインターネット上で入力することによって、利用者個人が識別されます。
・ICカードリーダライタの購入
電子証明書に関する内容は、マイナンバーカードなどの「ICカード」に格納されるため、その内容をパソコン上に読み取らせるには、パソコンそのものはもちろんですが、ICカードリーダライタも必要になります。地方自治体によって使用できるICカードリーダライタが若干異なりますが、いずれにしても2,000円~5,000円程度の価格で購入する必要があります。

(パソコン上で行う電子申告の流れ)
1.トップ画面・確定申告書提出方法の選択
作成開始画面です。提出方法は「e-tax」を選択します。なお、インターネット上で確定申告書を作成し、それをプリントアウトして書面提出することも可能になっています。
2.事前準備
e-taxの際の確認事項が一覧になっています。ここで、パソコンのバージョン等が推奨環境を満たしているか、電子証明書を取得済みか、ICカードリーダライタを持っているか、などを確認します。また、インターネット上で確定申告書を作成するための、「事前準備セットアップファイル」をダウンロードします。
3.申告書等の作成
確定申告に必要な資料(源泉徴収票などの所得に関する資料)をもとに、必要箇所に入力していきます。
4.申告書等の送信・印刷
還付税額・納税額が確定したら、申告書をプレビュー画面で確認したうえで、送信します。なお、ここで改めて利用者識別番号や電子証明書の暗証番号等を入力します。
5.送信・印刷後の確認事項
送信完了した申告書を保存し、必要に応じて印刷します。
6.終了画面の表示
一連の電子申告は以上です。

まとめ

上記のとおり、確定申告をするためには知識や手間が相当かかります。税理士は、これらの業務を代行することになりますが、これまでは「書面申告」の代行が主流でした。しかし、今後は「電子申告」の代行が増えることになりますから、電子申告の手続きも把握しておく必要があるでしょう。また、人によっては書面申告を継続した方が良いという可能性もあるため、どちらの形式で確定申告したらよいかを判断することも求められます。
税理士業務はこのように、申告業務のほか、それを取り巻くいろいろな場面で臨機応変に対応することが求められることになります。

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