税理士試験合格発表について
公開日:2016/12/18 | 最終更新日:2016/12/18
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税理士試験は毎年、8月上旬に行われ、合格発表が12月下旬と発表までの期間が長いです。
その間、試験勉強をどのように行うのか、また転職についても悩みどころです。
税理士試験の合格発表までの科目選択や試験勉強と転職について、確認してみましょう。
税理士試験制度
税理士試験についての内容は以下のように定められています。
税理士試験とは、税理士になるために必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定する試験で、年1回実施されます。
日程
例年、8月上旬に各国税局・国税事務所の所在地等(全国12~16か所)で行われます。
受験資格
税理士試験は、学識、資格、職歴といった様々な分野の受験資格が定められており、いずれか一つの要件を満たせば、受験資格を有することになります。
【学識による受験資格】
1. 大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
2. 大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
3. 一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
4. 司法試験合格者
5. 公認会計士試験の短答式試験に合格した者(平成18年度以降の合格者に限られます。)
【資格による受験資格】
1. 日商簿記検定1級合格者
2. 全経簿記検定上級合格者(昭和58年度以降の合格者に限られます。)
【職歴による受験資格】
1. 法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
2. 銀行・信託会社・保険会社等において、資金の貸付・運用に関する事務に2年以上従事した者
3. 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者
試験科目
試験科目は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目(必修)と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択)です。税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。合格科目は生涯有効です。
合格基準
合格は各科目60点以上で、例年受験者の10~20%(科目により差があります。)が合格しています。合格科目が会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に達したとき合格者となります。
【税理士試験免除制度】
税理士試験には、免除制度が設けられています。主な制度は以下のとおりです。
学位による免除
修士又は博士の学位を授与された者は、試験の一部が免除されます。
国税従事者における免除
10年又は15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法に属する科目が免除されます。
23年又は28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計学に属する科目が免除されます。
引用元:http://www.nichizeiren.or.jp/prospects/work/
税理士試験合格発表までの試験勉強
税理士試験受験後から合格発表までに試験勉強をどのように行うのかは受験生にとって、悩みどころかと思います。どの科目を受験したかでもと方法は変わってくるので、受験科目ごとに検証してみましょう。
まずは、必須科目の簿記論および財務諸表論を受験した場合です。この2科目は全ての受験生が受験する必要があります。そして、ボリュームの多い科目であり、この2科目を突破しないことには次の税法科目へ進むのも難しいといわれています。勿論、先に税法科目を学習して受験することも可能ですが、先に必須科目の2科目は合格しておきたいところです。
受験後に税理士資格対策の学校が合格予想ラインを発表しますが、予想の合格ラインを大きく下回るような場合は、9月から受験経験者向けの上級コースがあるので、そのコースを受講して再受験に備えたほうがよいでしょう。問題なのは、合格ライン前後の場合です。
試験後の手ごたえと実際の合否はなかなか一致しないことが多いですが、次の税法科目にとりかかってもよいでしょう。特に選択必須科目である所得税や法人税(いずれかの科目は必ず受験が必要)は税理士試験の中で最も難しく、ボリュームの多い科目であるため、税理士試験後の9月から開始してないと学習を維持するのは難しいです。万が一、12月の合格発表で簿記論および財務諸表論が不合格の場合は、受講コースの科目変更を行って、再受験に備えましょう。所得税や法人税法の9月から12月で学習する内容は基礎的な内容なので、先んじて学習しておくのは今後の税法学習をしていく上で、意味のあることです。
次に必須科目は合格していて、選択必須科目である所得税や法人税法を受験した場合です。前述した必須科目と同様に合格ラインを大きく下回るような場合は、9月から上級コースにして、再受験に備えるべきでしょう。合格ライン前後の場合ですが、次の税法科目を検討してもよいでしょう。科目の選択ですが、9月から開始するのであれば、比較的ボリュームの多い相続税を検討してもよいでしょう。最近では相続問題を専門に扱う会計事務所も増えてきているので、効果はあります。ただし、早く合格するのが先決ですから、ボリュームが少ない科目を早めに着手するのも方法かと思います。よって、ボリュームが少ない消費税法9月から受講して、完全合格を目指すのも一つの方法でしょう。
税理士試験合格発表前後の採用動向
税理士試験合格発表前後でBIG4税理士法人、中堅税理士法人、会計事務所でのそれぞれの採用動向を確認してみましょう。
BIG4税理士法人の場合、税理士試験合格発表前に就職説明会を開催しています。それぞれの税理士法人では、説明会が重複しないように設定しています。採用の基準は最低でも税理士科目2科目以上が条件となっています。
また、中堅の税理士法人でも、税理士試験合格発表前に採用を開始しており、税理士試験合格発表後の年明けの期間まで採用を行っているところが多いです。よって、合格発表まで毛結果を待って、転職活動を行いたい人には最適であるといえます。
そして、個人の会計事務所では通年で採用を行っているところが多いです。合格発表時期に関係なく採用しているため、私的な理由で前の会計事務所を退職して、また復職したいといような場合には最適であるといえます。
いずれの転職先を選択するにせよ、応募先の選択、面接までの流れをイメージして、合格発表に備えて応募書類を完成させておくことが必要となります。
転職先による税理士科目の選択
転職先での採用を考えた場合、受験生が選択する科目も変わってきます。特にどの税法科目を選択するべきかについては、転職先により異なるので、確認してみましょう。
一般的な会計事務所では、税法科目は所得税、法人税、消費税の選択が好まれます。なぜなら、決算では法人税や消費税の申告書作成は必須であり、確定申告の時期では個人の確定申告書を作成することになるからです。
ただし、所得税と法人税はボリュームの多い科目で選択必須であるため、いずれかの科目を選択する人が多いです。できれば、顧客は法人が多いため、法人税を優先に選択したほうがよいでしょう。
また、相続や資産税対策を専門とした会計事務所の場合です。この場合は、税法科目は所得税、相続税、固定資産税の選択が好まれます。特に相続税は実務に直結しており、資産家を顧客とする会計事務所では最適でしょう。
まとめ
税理士試験は長丁場ですが、合格発表は1つの区切りです。仕事と学習の両立を念頭に入れて、計画的に転職活動を行い、最終的には税理士5科目合格を目指して、実務に携われるようにしたいところです。
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