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就職弁理士

弁理士の就職について

2020年5月1日
salesmen

公開日:2016/12/14 | 最終更新日:2020/05/01

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弁理士の就職先というと、真っ先に思い浮かぶのが特許事務所ですね。しかし、弁理士の活躍の場はこれだけにとどまりません。企業に入ったり、弁護士事務所に入ったりと、他にも就職先は存在します。
また、弁理士の就職の実情として、弁理士数が1万人を超えた昨今では、就職は困難さを増しているといわれます。果たして本当にそうなのでしょうか?
今回は弁理士の就職先や、就職についての実情をご紹介します。

弁理士の就職先

弁理士の就職先にはどのような場所があるのでしょうか。働き方や気になる年収についてもお伝えしましょう。

□特許事務所
みなさんが思い描くように、弁理士の就職先として最も多いのは特許事務所です。特許事務所では、特許出願手続きをメイン業務として、特許制度にかかわる様々な問題を扱います。
もっとも、特許事務所と一口にいっても、その規模によって扱う業務内容は異なっているのです。
まず、大規模事務所について見てみましょう。ここで大規模事務所とは、80人以上の弁理士を抱える事務所を指します。規模が大きいだけあって有名な事務所が多いですが、実は所属弁理士の数において全体に占める割合は5%に過ぎません。大規模事務所の業務の軸はやはり特許の出願ですが、それ以外にも特許調査や契約のサポートなど、セクションごとに幅広い分野を扱います。また最近では、海外における知財問題も取り扱いが増えています。

次に、弁理士数が20~80人の中規模事務所についてご紹介します。中規模事務所に所属する弁理士は、全体の12%です。大規模事務所より多いとはいえ、弁理士全体から見れば少数派に属するのですね。中規模事務所で取り扱う業務は、基本的に大規模事務所と同じです。もっとも、中規模事務所では事務所ごとに専門分野を持っていることが多く、特定の業務を請け負う傾向にあります。

そして弁理士のほとんどが所属するのが、弁理士数10名以下の小規模事務所です。事務所の割合でいえば、7割近くが1人事務所となっています。小規模事務所では、少ない人数で案件を回していかなければならないため、様々なケースを経験することができます。また、自分の力量次第で仕事の幅を広げることができるのも、個人事務所の強みといえましょう。
最後に、気になる給与の話をしておきましょう。弁理士の平均年収は約700万円です。多くの特許事務所は、基本給+資格手当または年俸制の体系をとっています。個人事務所では売り上げから経費を引いたものが収入となります。

□弁護士事務所
弁理士の就職場所は、特許事務所に限りません。知財業務を扱う弁護士事務所においても、弁理士の存在は重宝されています。技術に強い弁理士と法に強い弁護士がタッグを組み、スムーズに問題解決にあたることができるからです。ここでの弁理士の仕事は、法律業務はもちろんのこと、発明の技術を読み解くことに重点が置かれます。最近では商標や特許の出願も行う所も増えているようです。
年収自体は特許事務所と変わりありませんが、給与体系は年俸制のところが多いようで、雇用契約では無く、業務委託契約となるケースもあります。その場合、給与は特許事務所の相場よりは高い傾向にあるようです。

□特許庁の審査官
特許を出願するのは弁理士の仕事ですが、これを審査するのもまた弁理士の仕事です。具体的には、特許庁に入り、審査官として特許出願、意匠登録出願、商標登録出願の審査などを行います。審査官になるためには、弁理士資格に加え国家公務員採用I種試験(技術系)に合格しなければならず、狭き門となっています。その他、任期付特許審査官という、研究開発業務経験や知的財産業務経験のある方を一定期間採用するポジションもあります。
年収は国家公務員に準じ、約500万円から毎年昇給します。

□企業の知財部
企業の知財部に務め、弁理士資格を持ちながら「サラリーマン」として働く方法もあります。ここでは、会社の商品の権利化業務や、他社の特許権侵害を排除する業務に従事することになります。「せっかく弁理士になったのだから会社組織に捉われず、自由な方がいい」と思われるかもしれませんが、福利厚生が手厚いなど、会社に所属することでプラスの側面は存在するのです。
企業に勤めた場合、基本給は他の社員と変わりません。その代わり、出世を早めたり、別途資格手当をつけるなどして、他の社員と差別化を図っています。

就職の仕方

□新規採用
まずは、弁理士の新規採用について見てみましょう。新規採用とは、弁理士になって最初の就職活動のことです。後ほどご説明するように、弁理士になってから転職することもありますので、これと区別する意味でここでは新規採用と呼びます。
弁理士の主な就職方法としては①公募による方法と➁紹介による方法が挙げられます。まず、①については、合同説明会や事務所のホームページを見て応募することになります。公募を出すのは比較的大きな事務所が多いという特徴があります。このような事務所は人気があるため、応募者数が多く、書類審査が厳しい傾向にあります。具体的には、後述するような弁理士としての能力をもっている人が高く評価され、そうでない人は書類で切られてしまう傾向にあるのです。

輝かしい経歴や年齢によるアドバンテージもない…そのような人におすすめするのは➁紹介による方法です。祝賀会やインターンシップなどを通じ、誰か一人弁理士の先生を知っていれば、まずはその先生と会い、どこか小規模な事務所を紹介してもらいましょう。その上で、紹介を受けた事務所に直接アポイントメントをとるのです。小規模な事務所の場合、そもそも公募を出していないことも多いです。なぜならば、「知り合いの紹介で良い人がいれば採用する」という形をとっているためです。そのため、自分から積極的に動くことが就職先を決めるカギとなります。

最近では弁理士専門の人材紹介エージェントが増えており、転職に限らず就職の支援もしてくれるケースが出てきています。これは上記のように自分から積極的に動くにも限界があると感じる方が多い影響もあるのではないでしょうか。また、比較的規模が大きい事務所でも場合によっては就職が可能なケースもあり、そのような情報を人材紹介エージェントがキャッチしている事もあるようです。

□転職
弁理士になり、事務所を移る場合はどうすればよいのでしょうか。まず、日本弁理士会の採用情報や転職サイトの情報を見て応募する方法があります。また、知人弁理士の紹介で新しい事務所に移ることもあります。新規採用でも説明した通り、最近では弁理士専門の人材紹介エージェントも増えており、そちらに登録して相応しい求人を紹介してもらうケースもあります。
さらに、一定程度の経験を積んでいる場合には、独立することも考えられます。独立開業に際し、年齢や経験などの規定はありませんので、自分のタイミングで起業することになりましょう。

就職の実情

□必要とされる人材
いくら就職が厳しくなったといえ、様々な事務所からオファーが来る弁理士はいるものです。では、現在の弁理士事務所はどのような人材を欲しがっているのでしょうか。
まず人気があるのは、理系知識があったり、理系分野での経験を積んでいる人です。時代背景により、技術分野ごとの需要は変化をしていきます。いずれにしましても、電気系や機械系、化学系の分野のどれかに精通している人は好まれる傾向にあります。

次に、特許実務の経験者を欲しがる傾向にあります。例えば特許事務をしており、特許明細書の作成スキルがある場合などですね。これは即戦力になるためです。
さらに英語も必須スキルです。現在は知財分野も国際化しており、海外での交渉も増えているからです。
このような能力を持っている場合には、基本的に就職に困らないといえましょう。

□年齢は就職の妨げとなるのか
最近では、企業に勤め、年齢がいってから弁理士試験を受験しようという方も増えています。そこで気になるのは年齢のハードルですね。
確かに、35歳未満が積極的に採用される傾向にあるというのは事実です。これは、一から教育することを考えると若い方が良いとの思惑があるからです。しかし、だからといって35歳以上の方にチャンスがないわけではありません。35歳以上の強みは、なんといっても「経験」にあるでしょう。特に半導体などの理系分野に携わってきたり、特許明細書の作成スキルがある場合には、必要とされる人材であるといえます。

まとめ―就職は対策次第

弁理士の就職難といっても、仕事がまったくないわけではありません。特許事務所によっては業績好調により、積極的な採用を行っている所もあります。弁理士としてどのような能力が求められているのかを知り、対策を立てることが重要です。ご自身で対策を立てるだけでなく、第三者的立場の方にアドバイスをしてもらうのも良い方法でしょう。

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