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司法書士事務所求人

司法書士事務所の求人動向

2020年6月10日
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公開日:2018/12/05 | 最終更新日:2020/06/10

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2013年頃から不動産投資が活発になったこともあり、最近までは都市部と地方での差はありますが、不動産取引市場は好況で、高値での取引が活発に続いていました。
不動産取引市場が好況で活発ということは、「関連する登記業務の増加=司法書士業務の増加」ということにつながり、実際に不動産登記業務をメインにしている司法書士事務所や大手司法書士法人では、求人募集が行われています。

■景気の行先は不透明

しかし今後の不動産市況は、「好況は東京オリンピックまでで、オリンピック後には不動産の価格下落と取引数が減少していく」という予想がされています。
金融機関の不動産投資への融資も、過熱気味になりバブルの様相を帯びてきたことを受けて2017年頃から引き締め傾向になりつつあったものが、2018年に入ってからは本格的に引き締められるようになり、実際不動産投資市場での取引の数は減ってきています。

更に東京オリンピックより前の、2019年10月に消費税の10%への税率引き上げが予定通り行われると発表されましたので、(2018年10月現在)これまでの消費税増税のように、増税直前の駆け込み需要で取引数が増加し、増税後一気に落ち込むことが予想されます。
政府は、増税後の景気への影響を抑えるための住宅ローン減税等対策を打ち出す予定ですが、それでも一定の影響は避けられないでしょう。

そして、昨今では新型ウイルスにより東京オリンピックは延期となり、今後の不動産市場に影響がある事は間違いありません。現状、不動産登記をメインに扱う大手司法書士法人などの求人は変わらず行われておりますが、今後の動向には注意する必要があります。

また、数年前からの人口の都心回帰に伴い、都心部でのマンション建設(特にタワーマンション)や新築一戸建ての分譲等が盛んでしたが、企業の働き方改革によるリモートワークなども導入が進み、必ずしも都心で無くとも経済活動が可能になりつつある状況で、都心回帰がが今後も続くのか、あるいは地方への人口分散が始まるのかも注視する必要があります。

■取引業務は減っても、相続登記業務が増える?

近年、所有者不明土地問題や空き家問題等で、相続登記の必要性がクローズアップされています。
政府や法務省も、相続登記の促進を図るべく相続登記に係る登録免許税の軽減措置、法定相続情報証明制度の新設、また相続登記啓発の広告等を積極的に行っています。
不動産取引に伴う「売買による所有権移転登記」等業務等は減っても、今後相続登記業務は増えることが予想されています。

■懸念事項も~登記の本人申請数の増加

しかし、近年相続登記は、相続人本人が行う「本人申請」の数が全国各地で驚くほど増加しています。
また相続登記と合わせて、住宅ローン完済後の金融機関の抵当権抹消登記も、司法書士に依頼せずに自分で行う人が増えています。
インターネットで簡単に情報が調べられるようになったことと、行政サービスの一環としての法務局の登記相談が懇切丁寧になったことが大きな原因だとされています。
いまや法務局の登記相談は、予約制になるほどの人気ぶりです。

相続人同士で紛争がある、物件の権利関係が複雑等困難な案件は従来通り司法書士に依頼されると思われますが、相続人が少なくて簡単な法定相続登記や、相続人間で争いの無い相続登記は、本人申請が増えるかもしれません。

相続登記の司法書士への依頼が増えるかは、楽観視はできないといってもよいでしょう。

相続登記の依頼を受けるためには、インターネットを活用した全国展開での広告宣伝活動が必要で、また価格競争になることが予想されます。

■司法書士を取り巻く環境は厳しい

景気動向以外にも、登記事件の減少、人口の減少、登記の本人申請数の増加と司法書士を取り巻く環境は、年々厳しくなっています。

どれもすぐに司法書士業界に大きな影響があるとはいえませんが、世の中が変化していっている、という認識を持つことが大切です。
近年不動産取引は好況と言っても、登記事件の総数は毎年減り続けています。
登記事件の総数が減っていることに加えて、前述の登記の本人申請数が増加していることにより、司法書士が受託する登記業務は確実に減ってきています。

■AIの脅威

またAIの進化は、今や見過ごすことができません。
司法書士業界内でもすぐに影響はないとは言いながらも、危機感が高まっています。
司法書士会が行う会員向け研修会でも「ブロックチェーン技術が司法書士に与える影響」といったテーマの研修が催されるようになりました。

■不動産の取引形態が変わるかも?

ブロックチェーン技術は、仮想通貨取引で一躍有名になりましたが、この技術を不動産取引へ応用することも提唱され始めています。
スウェーデンでは、既に政府がブロックチェーン技術を不動産登記に応用する社会実験が始まっています。
日本で、不動産取引や登記手続にブロックチェーン技術やAIが影響を与える可能性はまだまだ先のことかもしれませんが、司法書士としては気に留めておく必要があります。

■戸籍事務のAI化

マイナンバーを戸籍事務に導入しようという動きが、2018年5月から議論、検討の開始とともに始まり、2019年度中に戸籍法改正が目指されています。
現段階では、マイナンバーを提示すれば、戸籍謄本が無くても婚姻届が提出できる、児童扶養手当が受給できる等の利用が予定されていますが、将来相続登記へも何らかの影響が及ぼされるかもしれないという認識は持っておくべきでしょう。

■株式会社設立時の、定款認証が不要になるかも

現在、国による「法人設立手続ワンストップサービスの提供」についての議論が始められ、「株式会社設立時の公証役場での定款認証を不要にする」という提案がされています。
定款認証を不要にすることで、公証役場の手続及び公証人への手数料の負担をなくして、株式会社の設立をし易くするのが目的です。

合同会社の設立では定款の認証は既に不要ですが、現在株式会社の設立では、公証役場で定款認証を受ける必要があります。
オンライン申請であれば、定款に貼る40,000円の収入印紙貼付は不要ですが、それでも公証人への手数料が50,000円+定款の枚数+消費税、謄本代がかかります。
従来は「司法書士に依頼すれば、定款の電子認証で40,000円が節約できてお得」をメリットとして、設立登記を司法書士に依頼していたのが、公証役場での認証自体が不要になれば、自分で設立登記を行う人が増えることが予想されます。

■本人申請は今後も増加する

インターネットの出現、普及で「知識」の価値は下がりました。
今や誰もが簡単に登記手続の方法を調べることができます。
相続登記や抵当権抹消登記といった簡単な登記だけでなく、売買による所有権移転登記でも、融資を介さない現金購入では買主が自分で登記手続をするケースが散見されます。
会社法人登記も、司法書士に依頼せずに自社の総務部等で行うケースが増えました。
郵送による登記申請、郵送による登記書類返却が可能になったことは、司法書士にとってもメリットではありますが、平日に忙しくて法務局に行けない人でも本人申請が容易になりましたので、本人申請の増加の原因となっています。
今後、本人申請の件数が減ることはなくむしろ増加すると予想しておいたほうがよいでしょう。

■司法書士の活躍範囲は実は減っている?

司法書士は基幹業務の登記の他に、簡裁代理権取得による簡易裁判所での訴訟業務、成年後見、財産管理と、業務の幅は広くなっています。

しかし司法制度改革による弁護士の増加で、いまや司法書士の業務は狭くなっているのでは、ともいえる状況です。
司法書士の簡易裁判所の訴訟業務は一向に増えず、弁護士の関与数が増え、一般企業が開催する相続相談会等でも、以前は司法書士が相談員として依頼されていたのが、弁護士に依頼するケースが増えています。

成年後見制度は、2000年の制度開始以降増加の一方だった後見申立て件数が、2015年(平成27年)初めて減少しました。
政府は、成年後見利用促進法を施行して後見制度の利用促進を図っていますが、
成年後見制度は、高齢者の財産保護を主目的としているので、運用が厳格で、一般社会では敬遠される傾向にあります。

■社会の変化に、常にアンテナを張っておこう

時代の流れと共に、司法書士に求められる業務も変化を遂げていきます。司法書士業界もこうした時代の変化に対応するべく、新たなサービスを打ち出す等、業務の幅を広げていますが、今後もこのような流れはより早く動き、変化していくでしょう。司法書士がこんな業務でも力になれるといった認知を世間に広めて行くことは急務であり、ますます必要となってきます。

世の中が今後どういう風に変化していくかに注目していないと、取り残されてしまうことになります。

司法書士事務所の転職に成功しても、その状況に甘んじることなく常に「自分一人の力で何ができるか」「司法書士としてどのように社会貢献ができるか」ということを常に念頭に置いて目の前の仕事に取り組むことが何より大切です。
「今までとは違う時代が来るかもしれない」という認識を持って転職活動、ひいては将来の方向性を見据える必要があるでしょう。

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