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科目合格税理士転職

税理士科目合格者の転職について

2019年8月5日
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公開日:2017/01/02 | 最終更新日:2019/08/05

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税理士科目合格者が転職する場合に、どの科目を所持している人が評価されやすく、転職先はどのようなところが想定されるのでしょうか。
実務経験と税理士科目合格とをリンクさせて、税理士科目合格者の転職について、確認してみましょう。

税理士科目合格の重要度

税理士試験の科目のうち、5科目を取得すれば税理士資格者となり、実務経験を満たせば、税理士登録が可能となります。
税理士試験の科目には会計科目として、簿記論と財務諸表論の2科目があります。この2科目は必須科目となっています。税法科目としては、法人税と所得税のうち1科目のどちらかは選択必須科目となっています。そして、消費税、相続税、住民税、事業税、酒税、国税徴収法、固定資産税が選択科目であり、選択必須科目と合わせて、最終的に税法科目は3科目を選択するようになっています。

では、転職する際に重要度の高い科目はどの科目なのでしょうか。実務で必要とされるのは税法科目であり、圧倒的に需要が高いのが法人税です。なぜなら、会社組織である限り、どの会社も法人税の申告書を作成するからです。また、最近、活発になっている組織再編やM&Aに関する税制は法人税で体系的に学ぶため、その知識を持っている人が欲しいのが会計事務所でも、一般企業でも本音だからです。

では、引き上げが予定されている消費税はどうかというと業務にあたって、勿論、知識は必要です。しかし、消費税の申告書は、会計ソフトが自動で作成してくれるため、計算自体は実はあまり、苦労しないので、必ずしも消費税の科目は必要とはされていません。また、最近では会社経営者や資産家の高齢化に伴い、相続税も重要性が増してきています。
税法科目により特徴がありますが、法人税と相続税の重要度は高いといえます。

税理士科目合格者の会計事務所への転職

税理士科目合格者の多くのかたが、会計事務所への転職を考えているでしょう。
会計事務所での求人条件は科目合格の条件以外に、年齢や実務経験も考慮の入れる必要があります。
年齢が20代の場合、将来性も視野に入れての求人となるので、最低、日商簿記2級を条件として、税理士科目は会計科目が1科目ないし2科目程度を条件にしている会計事務所が多いです。この場合、実務経験は浅くても、採用される可能性はあります。そして、入所後に、仕事と両立して税法科目を目指して、勉強しているスタンスの人が多いです。

会計事務所の方針や規模にもよりますが、有資格者を1人も多く出して、将来的に勤務税理士として、働いてもらうことを目的としている場合、最終的に税理士として登録するところまで、バックアップしてくれる事務所もあります。
年齢が30代の場合になると、実務経験も重要視され、2年から3年以上が条件となってきます。さらに科目も法人税が必須となっている場合が多いです。なぜなら、30代以上になると、即戦力を求めるようになるからです。20代とは異なり、会計事務所としても、20代のスタッフを管理して、レクチャーすることも求められるようになるからです。

そして、最近では事業承継問題を抱えている会社が多くなっており、相続コンサルティング業務に力を入れている会計事務所では、相続税の科目合格者を優先的に採用している傾向があります。
さらに、会計事務所での経験が3年以上で、科目合格が1科目というかたも多いでしょう。
仕事が忙しく、なかなか勉強の時間がとれないというかたは、将来的に勤務税理士として、働いてもらうことを目的として、合格者を多く輩出している事務所を探すのもよいでしょう。

税理士科目合格者の一般企業への転職

一般企業の場合、税務の知識よりか、必要とされるのは実務経験と将来的な実務に対するポテンシャルが重視されます。もし、一般企業に転職しようとする場合は、税理士科目合格者の場合、税理士資格を最終的にとった時に独立する予定であるかを問われます。
その時には、今までの会計事務所などの実務経験にさらに一般企業での実務経験を積みあげていきたい意向を強く打ち出すべきでしょう。特に規模の大きい企業であれば、企業内税理士になることも視野に入れてもいいでしょう。

また、一般企業の規模が上場レベルであれば、税理士法人などで上場レベルの会計や税務を経験していれば、より採用されやすいでしょう。
そして、特に上場レベルの場合、グローバル化の流れは避けきれない状況にあります。
よって、税理士科目以外に英語力や国際会計の知識があれば、貴重な戦力として、迎え入れてくれる可能性も高まります。
一般企業の経理部はその企業のスペシャリストであり、他の部署から異動してきている人も多いです。部門ごとの業務の流れを正確に掴み、チームワークで仕事に取り組む姿勢が一般企業の経理部では必要とされることも意識しておくべきでしょう。
一般企業は企業の規模にもよりますが、会計事務所よりか、給与制度も整備されており、年収が高めです。よって、実務経験があり、科目合格している人が年収アップを狙うには最適であるといえます。

税理士科目合格者の求人例

税理士科目合格者の求人例を確認してみます。

1.中堅の会計事務所

■法人総合税務サービス
主に、国内企業に対して、税務のコンサルティングおよびコンプライアンス業務を幅広く提供します
・法人に係る全般的な税務相談
・法人税・消費税・法人地方税の申告書作成またはレビュー
・税務調査の立会い
・法人の予実績管理を含む記帳代行業務
・財務数値をベースとした経営者へのアドバイス 等

■個人所得税・資産税サービス
PCの基礎知識を持っている方(Word,Excelの利用頻度が高い)
以下の両方を満たす方・法人税経験2年以上・税理士試験3科目以上合格

2.税理士法人

<国内税務を主とする税務・会計コンサルティング業務全般>
■税務申告、巡回監査
■相続・事業承継コンサルティング
■組織再編、M&Aコンサルティング
■その他、企業価値評価、資産移転コンサルティングなど

★ご経験・ご希望を考慮のうえ担当業務を決定
◆税理士もしくは税理士試験 2科目合格以上
◆税理士・会計事務所での経験(2年以上)
◆学歴不問
◆コミュニケーション力

3.一般企業経理(部門長レベル)

経理チームのリーダーとして会社業績を把握し、部下の日常業務の把握、相談、指導を行い、予実管理の早期レポートを実行する。 経理書類とりまとめ各ライン長と連携しながらPLAN-DO-SEEを回すための数値根拠を固める。上記のためのキャッシュマネジメント(円・ドル)サポート、税務申告、監査対応を行い、CFOをDay-to-dayで、サポートする。

経理(月次・年次決算、税務、仮払・経費精算)
・監査法人と事業会社(リテール事業の経験は必須)の両方の経験、国税・税務署監査対応経験者、銀行対応経験者
・簿記1級(もしくは最低でも簿記2級の工業簿記理解者)、公認会計士、税理士資格取得もしくは目指している方
・英語力あれば尚可。.

会計事務所の場合、20代の若手であれば、ポテンシャル重視であり、科目の2科目程度を最低ラインとしています。
一般企業経理は各部門とのコミニュケーション能力とマネジメント能力も要求されます。

まとめ

税理士科目合格者の転職先の可能性は高いものがあります。ただし、現状に満足するのではなく、将来的に目指す方向を明確にしていくべきでしょう。税理士登録を目指すなら、税理士法人、より実務経験を高めて年収アップを狙うなら、一般企業の経理が最適でしょう。

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