弁護士の紹介について
公開日:2017/01/03 | 最終更新日:2017/01/03
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弁護士と紹介というのは切っても切れない関係にあるキーワードといえます。事件の「紹介」、就職・転職活動の際の法律事務所の「紹介」・・・弁護士は人相手の商売であり、少なからず縁が関係してくる仕事です。その中で「紹介」というのは非常に重要な言葉なのです。
仕事の「紹介」
そもそも弁護士はどのように仕事を取ってくるのか、ということに着目する必いうがあります。
そもそも、弁護士が扱う法律問題とは、非常に多岐にわたる問題です。弁護士によって得意分野があるのはもちろん、仕事の内容や結果についても弁護士の能力や経験によって大きく結果が異なってきます。そしてその結果が依頼者の方の財産などに及ぼす影響は甚大です。だからこそ、司法試験という制度があり、裁判所があり、これが公開されている状況の下、審理がされることになるのです。
弁護士の仕事の獲得方法における「紹介」には大きく分けて2種類があります。
一つは知人からの紹介、そして、もう一つは他の弁護士からの紹介です。
(1)知人からの紹介
これはその弁護士と知人の信頼関係に基づいて仕事を依頼される場合です。
企業を経営している知人がいれば会社案件になったり、ひいては顧問会社の獲得につながったりします。もちろん、弁護士になってから、どのような結果を依頼者に対して残してきたか、ということも重要ではありますが、それ以前に、学生時代の人間関係や、弁護士になるまでにどれだけの人とどのように関わってきたか、といったことも非常に重要になります。
つまり、この「紹介」にはビジネスライクな場合もそうでない場合も存在する、ということです。
多くの場合、弁護士としてのキャリアは、いわゆるイソ弁、つまりは勤務弁護士としてのスタートになります。事務所からお金をもらい、事務所の仕事を基本的にはこなしつつ、個人事件を受任した場合には何割かの経費を事務所に入れる、という形です。
新米弁護士やキャリアの浅い弁護士に中々個人事件は依頼されません。では、どうやって、仕事を得るかというと、その弁護士個人の人脈、そしてその人脈における信頼、ということになります。
こういったビジネスライクではない紹介、を得るには何より大学の同期や、親戚、あるいは今まで知り合ってきた人たちとの関係が重要です。一般的によく言われるのは、同窓会の幹事などを積極的に引き受けると、こういった信頼が上がる(+弁護士をやっていることをアピールできる)、年賀状を知り合いにとにかく出す、といった方法です。とにかく種をまき続けることが重要です。
これに対し、ビジネスライクな「紹介」、というのはもともとはボス弁の顧問先等から、ボスの仕事を手伝っているうちに信頼を得て、個人事件を紹介してもらうパターンです。これは完全に顧客の信頼をどう得るか、ということになります。
例えば、反応が速い、といったようなことや、訴訟で結果を出した、といったようなこと、とにかく仕事面で結果を出し、信用を得ることが「紹介」につながり、仕事につながっていきます。こういった場合、中小企業であれば特に経営者同士がつながっていることも少なくなく、新たな企業を顧問先として紹介してもらえる可能性もあります。しかし、この場合、個人間で情があることは少ないので、切られてしまうことも可能性としては十分にあるといえます。
(2)弁護士からの紹介
弁護士からの紹介、というのは、知り合いの弁護士、今であればロースクールの同期、といった関係や学閥の関係、という関係が主になると思われます。
こういった紹介については、紹介元となる弁護士の専門分野でなく、紹介相手の弁護士の方が依頼者にとってより有利に運べるであろうと考えた場合か、紹介元の弁護士が既に抱えている事件で手いっぱいであり、これを他の弁護士に回す場合、が考えられます。
ここで、弁護士から他の弁護士を紹介する場合、金銭的なキックバックを得ることは、弁護士職務基本規程で禁止されているので、紹介料を紹介元の弁護士がとる、ということはできません。もっとも、弁護士が他の弁護士を紹介すること自体は何ら問題がありません。
但し、紹介される側はもちろん、する側もそれ相応の責任が発生します。紹介してくれた弁護士の顔を潰すようなことはできないので、逆に言えば、紹介する側も信頼できる弁護士しか紹介しない、ということになります。
こういった点で、同業者の信頼を得ておく、ということも非常に重要になってきます。
法律事務所の「紹介」
世間一般で、就職・転職活動をする際に「コネ就職」なんていう言葉を耳にすることがあると思います。
一般企業の就職・転職活動において、どの程度コネクションが生きるのかはわかりませんが、弁護士業界においては、少なからずコネクションを生かした就職・転職が行われています。 就職・転職活動は日弁連が運営する「ひまわり求人」や、「アットリーガル」「ジュリナビ」といったサイトに掲載される求人情報に応募して、面接を受ける・・・といったスタイルが一般的です。
しかし、このような求人サイトに登録しなくても、「いい人がいるなら欲しい」と考えている法律事務所は少なからず存在します。
弁護士の就職難が叫ばれているこのご時世において、上記したような大手求人サイトに求人情報を登録すると、数百件単位の履歴書が届きます。
小規模事務所においてはこれらに目を通すだけでも一苦労ですし、それだけ、採用活動に時間・人員を割かなくてはいけなくなるわけです。特に面接の実施は(グループであろうと個人であろうと)少なくとも1件1時間程度必要ですし、その際に「面接しなければよかった・・・」という弁護士・修習生も少なからずいる、ということになります。
このような時間をカットするには、紹介が手っ取り早いのです。
信頼できる弁護士の紹介、ということであれば、少なくとも紹介元の弁護士の信頼を得ている人物、ということで一定の信用はある、ということになります。そうすると、求人サイトとは明らかに異なる倍率での就職活動が可能になる、というわけです。
このコネクションは上記の仕事紹介のコネクションと同じく、特に学閥や、弁護士になってからの人脈、派閥といったものに大きく左右されます。
若手のうちは、例えば派閥活動の参加費用なども非常に安く、場合によってはただで参加することができるのですから、積極的にイベントに参加して人脈づくりをすることが秘訣といえるでしょう。
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