弁護士の仕事内容について
公開日:2016/11/14 | 最終更新日:2016/11/14
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弁護士の仕事は多岐にわたる
弁護士の仕事の花形が訴訟であることは、テレビドラマなどからも明らかですが、事務所によっては大きく異なります。
特に外資系の事務所や4大事務所に数えられる事務所では、訴訟部門に配属されない限り、1年に1回も法廷に立たない、という弁護士も数多く存在しています。
もちろん、訴訟以外にも通常の相談業務、顧問先の相談業務、契約書のチェック、起案・・・と枚挙にいとまがありません。
やりたい仕事が何なのかを考える
そういった多岐にわたる仕事の中でも事務所ごとにカラーが存在し、その事務所の中心となっている業務が必ず存在します。
就職活動・転職活動の際には、その点をまずは意識するべきです。
もっとも、経験が浅い、あるいは司法修習での実務経験しかないような場合には、イメージと実務が大きくかけ離れているような場合も存在します。
交通事故などはいい例かもしれません。もちろん、人によって感じ方が違うことは大前提ではありますが、交通事故は修習等で見ると、争点が例えば、事故態様そのものであったり、過失割合であったりと多岐にわたる上、いわゆる赤い本の適用方法などの先例もしっかりとしており、とっつきやすく、かつ面白い、といった印象を受けがちな分野です。
しかし、交通事故を主として扱う法律事務所は基本的には、保険会社、特に損害保険や自動車保険会社等を顧問先とする法律事務所がほとんどです。
交通事故は、日常的にどこかで、大規模・小規模を問わず発生しています。このことを踏まえると、特に大手保険会社を顧問先(地方になると顧問先、というわけではなく、指定代理人、と呼ぶことも少なくないようです。)に持つと、全国各地から毎日のように事件が舞い込んでくる、ということになります。大手保険会社の場合、基本的に契約内容に弁護士特約がついていますから、事務所的に収入が多く見込めるわけではありません。
もっとも、顧問料は小さくないですし、それで事務所が持っている面があるのも事実です。修習のように、気楽に、かつ1・2件を担当する・・・というのであれば、上記したような面白さに惹かれて仕事をすることも十分可能ですが、これが毎日、そして夜遅くまで・・・となると中々しんどくなってきてしまいます。もちろん、事件一件一件に個性があることは事実ですが、どうしても事務作業的な面が出てきてしまうことは否めません。
このようなギャップに直面する可能性も踏まえて法律事務所選びができればいいのは言うまでもないですが、これがなかなか難しいのです。
法廷に立ちたいかどうかは一つのメルクマール
上記したように、大手事務所や外資系事務所では、訴訟部門に配属されない限り、法廷に立つ可能性は低くなります。
しかし、これらの事務所では、逆に小規模事務所では絶対に扱わないような大きな案件、例えば国際的なM&Aや、倒産案件などは扱えないでしょう。
法廷に立ちたいのであれば、迷うことなく小規模・中規模事務所、ということになります。
最も法廷に立つ回数が多くなるのは必然的にマチ弁と呼ばれる、いわゆる一般民事事件を扱う法律事務所、ということになります。もっとも、企業法務を扱うからと言って、法廷に立たないわけではありません。企業だって当たり前ですがトラブルに巻き込まれることにはなるのですから・・・。
あくまでその割合、といった点になるでしょう。
企業法務の特徴
企業法務、と一言にいっても、その内容も多岐にわたります。
企業法務を扱う法律事務所の場合、その多くは顧問先からの相談になります。基本的には顧問料は一部上場企業のような大手の場合を除き3万円~5万円/月で契約しているところが多く、そういった顧問先に対して法的サービスを提供する、ということになります。もっとも多いのは法務相談、そして契約書のチェックです。
法務相談というのは、企業内で起きたトラブルを訴訟などに発展させずに以下に終わらせるか、という相談になります。語弊を恐れずに表現するのであれば、臭いものに蓋をする、というのが仕事です。特に企業法務において、日常的に発生するのが労務トラブルです。例えば、残業代の未払い、ある従業員を解雇したいが、トラブルにはしたくない・・・こんな時に労働契約法や労働基準法にのっとり、どうすれば、内輪もめで終わらせることができるのか、というのをアドバイスすることになります。
契約書のチェックも様々です。企業が取引を行えば、そこに必然的に契約は存在します。そして、その内容も様々です。企業法務に従事する弁護士向けに契約書のひな型を揃えた本なども発売されてはいますが、実務はその範囲を簡単に凌駕してきます。そういった場合、依頼者である企業と綿密に連携を取りながら、依頼者に対して不利な契約とならないように最善の注意を払って契約書の修正・作成をしていくことになります。
もちろん、それ以外に実際に訴訟になってしまえば訴訟対応も行います。一般民事との大きな違いは、民法を逆に使わないことでしょう。基本的には会社法や商法、労働法、そそして知的財産法など、企業に特化した法律や企業の経営の範囲に関する法律を扱っていくことになります。そうすると、私人の一般法である民法をお目にかかることは必然的に少なくなります。
そして、顧問先との信頼関係なしにはスムーズな訴訟、あるいは和解をすることは難しいといえます。普段からの対応などで信頼関係をいかに築くか、そしてその上で、スムーズに事件を解決に導くのが企業法務の醍醐味でしょう。
一般民事とは?
一般民事が企業法務と大きく異なるのは、基本的に一回限りのお客さんがほとんどだ、ということです。一般の人が法的トラブルに巻き込まれる回数等は正直、一生に一回あるかないか、でしょう。そういった人たちからの相談を受け、これを解決に導くのが一般民事です。
人の数だけストーリーがありますから、非常にやりがいはあるといえます。人間の最もいやらしい側面が見えてしまう瞬間でもあるのですが・・・。
一般民事もいかに訴訟にもっていかないか、という視点が重要です。
交渉で解決する方が、時間的にも費用的にも依頼者には得といえます。
また、一般民事を多く扱う法律事務所は、そういった信念を持っている先生が多く、そういった先生と志を同じくして弁護士業務にあたる、という人が取り組むのに適しているといえるでしょう。
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