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就職弁護士

弁護士の就職について

2016年11月22日
job-hunting

公開日:2016/11/22 | 最終更新日:2016/11/22

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取り沙汰される弁護士の就職難

新司法試験導入後、ほどなくして弁護士の就職難が話題に上るようになりました。
それまでの合格者数から一気に1000人程度合格者が増えたにも関わらず、検察官・裁判官の採用人数に変更はなく、この合格者増について負担をするのは各地の弁護士会、ということになったのですから、弁護士のキャパシティの問題が発生するのもある意味自明の理ともいえます。

実際に昨年2回試験に合格し、有資格者となった68期のデータを見てみると、今年1月時点で10%程度が未登録、すなわち、弁護士としての活動をしていない、という実態があります。

もっとも、この数字には、就職する事務所の方針(極端な話、実際に勤務するのは一月からなのに、12月に一斉登録してしまうと、一か月分の弁護士会費がもったいない、そもそも内定が出たのが遅く、12月の一斉登録に間に合わなかった)といった事情や、インハウスの場合に、会社の方針で弁護士登録をしない場合もあるので、純粋に1割が就職できていない、という話ではありません。

そうすると、世間で(主として法制度改革の話題の際に)問題視されているほど、就職難、という言葉は相応しくないとも思われます。
但し、就職が決まっていても、基本となる給料がなく、籍だけ事務所に置かせてもらい、事件処理による収入で生計を立てるいわゆるノキ弁や、月給30万円以下(しかも弁護士は基本的には労働者ではないので、残業代などはありません。)という条件の弁護士も存在します。

一昔前のように、資格を取ればすぐに高給取り・・・というわけにはいかないのは事実です。
東京で言うなら平均すれば年収500~600万円、といったところがスタート、ということになるのではないでしょうか。

就活事情

基本的に、弁護士の就職活動も、一般企業の就職活動とやること自体はあまり変わりません。
インターネットで弁護士を募集している法律事務所を探し、自分の就職(転職)希望に合った条件(特に勤務地や、扱う業務内容)であれば、そこに履歴書や自己PRシートを送り(メール添付も郵送も両方がありえます。)、面接実施の連絡があれば、修習(仕事)終了後(あるいは週末に)に面接を受けに行く・・・といった形です。

一般企業と若干趣が異なるのは、一般企業の場合、書類選考を通過しなかった場合には、その旨の連絡が届きます(通称「お祈りメール」と呼ばれているものです。)が、弁護士の就職活動の場合、多くの法律事務所の採用備考欄に「面接を実施する場合にのみ、該当者に連絡差し上げます」といった旨が記載されていることが多い、ということです。

これはつまり、裏を返せば、書類選考で不合格となった場合には、法律事務所からの連絡はない、ということです。修習生はこれを「サイレントお祈り」等と呼びますが、受かったのか落ちたのかも分からず、履歴書を出してから、数か月後に連絡が来る・・・などということもあります(これはおそらく、一旦その事務所が内定を出した修習生が他の事務所の内定を得たことで、内定辞退をしたり、任官・任検したことで、内定を辞退した場合に、他の修習生を探す・・・という事態が発生しているものと思われます。)。

大法律事務や、外資系事務所などは、司法試験の合格発表前に、その事務所のホームページで独自に募集を行い、択一試験の合格発表後に内定を早々に出してしまいます。
その他の事務所は、日弁連が解説している求人情報用のホームページである「ひまわりナビ」、あるいは「ジュリナビ」、「アットリーガル」といったサイトに求人情報を掲載します。
合格発表後から年内にかけて求人の最初の波が存在します。ちなみにこの期間は、東京三弁護士会が主催する三会合同就職説明会なども実施され、修習生はだんだんと就活とはなんなのか・・・ということを知り始めます。

第二次の求人の波は2月くらいに、第三の波が4月くらいに、そして最後の波が11月くらいにくる、というイメージです。

履歴書はどう書けばいいか

多くの事務所が、履歴書について「書式自由」等と記載しています。これは実は非常に厄介な問題です。
書式自由と言われても、じゃあ、コンビニや生協で売っているような一般的な定型の履歴書でいいのか、というとそういうわけではありません。

法律事務所の場合、多くの事務所には人事担当者のような役割の人はいません。そうすると、基本的には、弁護士が自分の仕事の時間を割いて、履歴書のチェックを行うことになります。
こういったときに、例えば手書きの履歴書などは非常に読みにくいのです(一部、手書きの履歴書が逆に評価されて、採用された・・・という話も聞いたことはありますが、これはごくごく例外であり、一般的な話とはいえないでしょう。)。
なので基本はワープロ打ちです。
そうすると、どこで履歴書の大元を手に入れればいいのか・・・ということになります。
これは。先輩や同期に回してもらうか、書式が決まっている法律事務所の応募ページからダウンロードして流用するのがいいでしょう。

内容についても基本的には先輩にチェックしてもらうべきです。
ロースクール出身であれば、少なくとも先輩はいるはずです。
せっかくのコネクションなので、これを積極的に活用しましょう。普通の履歴書と違い、「目指す法曹像」といったものを書かされたりすること、そして、事務所ごとの特徴を捉えた自己PRや志望動機にし、具体的事例を交えて、簡潔にまとめること、等そこまで経験したことのない作業が待ち構えていることになります。
その上で、経験者の知恵は必要です。
転職を希望する弁護士の場合は、さらに自身の経験を加筆することが必要です。
司法試験の成績やロースクールのGPAは事務所ごとに評価するところ、しないところがありますので、これによって一概に何かが変わるわけではありません。

面接

面接は一般企業の就職活動とさほど大きな違いはありません。
特に小規模事務所の場合は、採用人数も1人~2人だったりするので、これはもうボスとの相性です。
くじけずに、面接実施のお知らせが来たら、遠方の修習地からでも何度も向かうこと、そして、面接の後にお礼のメールを必ずすること、が重要です。

新卒・転職の違い

転職組の方が一般的に弁護士業界では、就職活動が楽と言われます。
数年の経験があれば、それなりに弁護士としても基本的スキル、つまり、一応は事件を一人で一通りこなせる、ということはできますし、加えてその弁護士のカラー、つまりは専門性も明らかになってきます。
そうすると、法律事務所の求めている人物像や専門性に合致しているか、という判断がしやすいので、法律事務所としても採用しやすい、というわけです。
新卒の場合は、これがない分、やはり、面接まで行けばボスとの相性勝負、という面が大きくなります。

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