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司法書士補助者転職

司法書士補助者の転職市場について

2019年9月17日
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一般企業の事務職にあたる司法書士事務所で働くスタッフのことを、司法書士業界では「補助者」と呼ぶのが慣例です。

実務に精通したベテランの補助者は重宝されてきましたが、2000年以降司法書士の業務形態は大きく様変わりして、事務所の求人にも影響が及んでいます。

■司法書士補助者の需要は減っている

東京や一部の大都市を除き、不動産取引の数は減少し、登記の本人申請が増えて登記事件数は年々減っています。
郵送での登記申請、郵送での登記完了書類の返却が可能になりましたので、法務局に行く機会も大幅に減り、書類作成ソフトや事件管理ソフト等司法書士業務支援ソフトが充実したことによりで、専門的な書類も簡単に正確に作れるようになりました。

また以前は、不動産取引の「決済」と呼ばれる代金支払いの場で本来司法書士が行うべき登記書類や本人確認、債務整理における債務者との面談をベテラン補助者が行うことが頻繁にありましたが、司法書士法違反による追及、処分が厳しくなり、全ての業務で司法書士が直接行うことがより徹底されるようになりました。

司法書士有資格者なら、登録すれば司法書士自身が行うべき業務が行えます。
また以前のように事務作業も効率化、簡便化により経験が浅くても業務に差し支えることが少なくなりましたので、経験豊富な無資格のベテラン補助者よりも、有資格者のほうが重宝されるようになり、今や司法書士事務所では求人は有資格者募集が中心で、東京など不動産取引が活発な一部の都市地域を除いて補助者の需要は減少傾向にあります。

■補助者は、司法書士を目指す人が多い

司法書士事務所で働く補助者は、司法書士試験の受験生であることが多数です。
司法書士の業務は実務が試験内容に直結していることが多いので、日々の業務経験がそのまま受験勉強となって試験に役立つという実益があります。
合格後は即戦力となって、補助者から勤務司法書士に昇格することもできるでしょう。
また司法書士事務所は、所長である司法書士が元々受験生だったので、司法書士試験の直前になると時短勤務や休暇を取れる等、受験に配慮してもらえることも多く、この点は一般の会社と大きく異なる点です。
昨今ではなかなか無いかもしれませんが、「仕事が暇な時は事務所で勉強していてもいいよ」と言ってくれる事務所もあります。
司法書士を目指しているなら、司法書士事務所での勤務は受験勉強中でも合格してからでも大きなメリットがあるといえます。

■実務経験の長さは、受験の弊害になるケースもある

しかし補助者としての勤務歴の長さは、必ずしもメリットばかりではありません
長らく司法書士事務所に勤務しながら司法書士試験にチャレンジしているのになかなか合格しないベテラン補助者が少なからず存在します。
何故?と疑問に思いますが原因は、実務と試験勉強に違いがあることです。
司法書士試験は、実務家登用試験なので実務内容が試験勉強と直結していますが実際は実務と受験勉強で取り扱いが違うことが多々あり、受験生の場合は、試験で混乱してしまうことがあります。
商業登記では、受験勉強の内容と実務に殆ど違いは無いといってよいのですが、不動産登記では、実務と受験勉強が違うということがよくあります。

司法書士試験は、1年に1回しかありません。
試験当日は緊張のなか、問題に取り組むことになります。
時間が迫るなかで緊張のあまりに、つい「あれ?実務では違う取扱いしているな」と実務の知識が頭に浮かんで、素直に考えれば迷わずに解ける問題に時間がかかったり、誤った回答をしてしまったりすることがあるのです。

■司法書士事務所での経験は、別分野では活かしにくい

司法書士に限らず、弁護士、税理士等いわゆる「士業」の業界は専門性が強く狭い特殊な業務で、事務所勤務のキャリアは士業界でしか通用しにくいといえます。
司法書士事務所に勤務していて弁護士事務所や税理士事務所等に転職を考えているのなら、司法書士事務所での勤務経験は大きなメリットになります。
しかし一般企業でも、将来事務作業はAIに取って代わられると予想されているなか、ひとたび「士業」界の外に出ると、司法書士事務所勤務のキャリアは一般社会にはなかなか通用しないといっても過言ではありません。

「法務部なら一般企業でも経験が活かせる」と考えるかもしれませんが、弁護士の数が増えたことに伴って企業勤務の弁護士も増えたことにより、企業の法務部は、いまや司法書士有資格者でも転職は難しいので現状で、いくら司法書士事務所での勤続年数が長くても、無資格ではなおさら通用しないといってよいでしょう。

■司法書士を目指さないのであれば、別の道を探すことも考えた

ほうがよい

司法書士事務所はいくら大手といっても個人事務所の延長で、会社組織のように給与体系や福利厚生体制が整っている事務所は少なく、長く勤めるに適した環境であるとは言い難いのが実情です。
また勤務環境や待遇が良い事務所は、職員が辞めないのでなかなか空きがでません。

司法書士業界に限らず、少子高齢化が進む日本では、産業界の構造が大きく変わろうとしています。
AIの進歩で、今後ますます司法書士業界も単純な事務作業に携わる人手は不要になっていくことが予想されます。
前述しましたが司法書士の業務内容は、一般企業の事務職と比べると専門的で特殊で、「つぶしがきかない」職種です。
もし司法書士を目指さず、一般事務職的な感覚を持って司法書士事務所で働いているのなら、先を良く考えるべきだといえます。
将来司法書士として活躍したいと考えているなら、司法書士業界で働くことをお勧めできますが、そうでない場合はなるべく早く決断して他業種、一般企業への転職を視野に入れることも考えた方がよいでしょう。

■もしあなたが司法書士を目指しているのなら

もしあなたが現在司法書士を目指しているのなら、やるべきことは待遇の良い事務所を探すことではありません。
1年でも早く合格して司法書士資格を得ることです。
もちろん様々な事情があり、家族がいて働きながら資格取得を目指しているなら仕事を辞めるのは難しく、勉強に専念できない環境のこともあるでしょう。
しかし司法書士は、資格があって初めて価値が出る仕事です。
いくら勤務年数が長くて実務経験が豊富なベテラン補助者であっても、司法書
士の資格がなくては意味がないといえます。

待遇の良い事務所だと、居心地が良くてズルズル受験勉強期間が長くなってしまう可能性は低くありません。
しかしその待遇の良さも、司法書士業界の将来を考えると安定して長く続くと考えるのはリスクがあるといえます。
合格するためには、お給料は良いが残業が多い、なかなか休みが取れない事務所ではなく、少し待遇が悪くても残業は極力少なく、少々お給料が少なくても、
試験直前期は時短勤務できる等受験スケジュールを優先してくれる、試験に早く合格するための事務所を選ぶべきだといえるでしょう。

おわりに

司法書士資格のない補助者の求職事情の将来は、決して明るくはありません。
なかなか合格できないのであれば、早く合格するにはどうしたらいいかを考えるべきです。
また司法書士になりたいという希望がないのなら、長く働くのに本当に司法書士業界はよいのかを考えるべきでしょう。

「司法書士は資格を持ってこそ初めて経験が活かせる業務である」ことを念頭に事務所選び、就職先選びを行うことが大切です。

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