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採用法律事務所

法律事務所の採用について

2016年11月14日
magazine-sky

公開日:2016/11/14 | 最終更新日:2016/11/14

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新卒採用と中途採用は大きく市場が異なる。

弁護士の就職難が叫ばれ始めて(新司法試験制度が開始されて)、間もなく十年が経とうとしています。実際に68期(昨年12月に弁護士会一斉登録)の就職状況を見てみると、1月時点で(つまりは、一斉登録に間に合わなかった時点で)、約1割の修習生が登録していません。もちろん、この数字にはわざと一斉登録をせず、年明けから登録する、といった方針の事務所に就職した人や、インハウス(企業内弁護士)として就職し、弁護士登録をしていない修習生も含まれますから、全体の就職できなかった人は1割未満、即独立の人を合算してちょうど1割にいくかいかないか・・・といったところでしょう。

そうすると、就職難、と叫ばれている割に、意外と就職は決まっている、という印象です。しかし、その平均年収は明らかに下がってきています。東京の中小規模の事務所であれば500~600万円、最も低いところでは300万円程度の事務所もあるようです。また、いわゆるノキ弁、つまりは給料を支給されず、事務所に籍だけを置いて活動する弁護士(実際にはそのボスから事件の紹介を相当数受けるようではありますが)も一定数存在しています。就職が決まらない・・・という割合は低いとは言えますが、昔と違い、中々厳しい状態にある・・・という認識は必要です。

 

しかし、中途採用市場は意外とすんなり就職が決まる、ということも少なくありません。勤務経験が2~3年以上の弁護士については、採用する側からすれば、その弁護士の専門性・得意分野がある程度はっきりしてきている時期であり、法律事務所側、特に中小規模の法律事務所としては、その事務所の得意分野をさらに伸ばすために、獲得するのか、それとも新しい分野を開拓するのか、といった視点で採用しやすい環境があるのは事実です。

もっとも、例えば就職して働き始めて1年程度で、事務所と合わない、といった理由で転職活動を行う場合も、新卒(修習生)の就職活動と比べれば遥かに就職しやすいという事情はあるようです。すなわち、弁護士として専門性はないまでも、一人である程度の事件処理ができる、という段階になれば1から育てなくてもいい、という安心感、そしてある程度仕事を任せることができ、少なくとも給料分は働いてもらえるだろうとい安心感から、採用に積極的になる法律事務所は少なくないようです。

法律事務所の採用は事務所の形態によりさまざまであることを認識する必要がある。

一口に法律事務所といっても、その形態は非常に多種多様です。
100人単位で弁護士を抱える事務所もあれば、外資系の事務所で外国人弁護士が常駐している事務所、十数人単位で、扱う分野を絞って仕事をする事務所(このような形態はブティック事務所、等と称されます。)、2・3人の事務所、弁護士一人・事務員一人でやっているような事務所・・・と様々です。

例えば、債務整理系の事務所、よくテレビでCMを流しているような事務所は、数多くの支店を出し、集客した上で、事務作業が非常に多くなってきます。そうすると、まずはマンパワー、つまりは弁護士の数が必要になります。就職説明会などに参加するとわかりますが、こういった事務所は希望すればほぼ採用されると考えられます。就職後は、一定の研修コースが整備されており、それを終えると、1年目の弁護士であっても、支店長として、全国各地の支店に行く可能性があります(場合によっては、支店に弁護士が一人しかいない、ということもあるようです。)。

4大事務所(西村あさひ、森濱田、長嶋大野常松、アンダーソン毛利友常)などの大手事務所・外資系事務所の採用活動

これらの事務所は、新卒(修習生)については、完全な青田刈りを実施しています。
就職活動期間は主に、司法試験終了直後~6月位までで、択一試験の合格発表後に内定を出してしまう、というのが通例です。
4大事務所であれば、各事務所が大体20~30人前後の採用活動を行います。もっとも、この中から半分弱は検察官や裁判官になってしまう、ということを見越しての採用活動を行っているようです。

このような場合、判断材料は基本的にはロースクールの成績、大学の成績等で判断されることになります(司法試験の成績は、この時点では合否すらも明らかになっていないので、当たり前ですが、参考資料にはなりません。)。
稀にエクスターンシップ等から直接採用、ということもあるようですが、この場合もエクスターンシップの選考そのものが成績基準で行われるため、結局は同じ審査基準になる、ということがいえます。

中途採用については、これらの事務所は形式上随時応募可能、とはなっています。しかし、実際には、内部の人間とコネクションがあり、誘われた、といった事情や、よほど特異な分野があり、これをアプローチできる、といった特殊な要素がなければ、採用されることは難しいといえます。ひまわり求人等に求人情報を載せずに事務所ホームページからの応募を行っているあたりにも、そのような採用に関して強気の姿勢を伺うことができます。

中小規模以下の事務所について

新卒であれば、基本的にはひまわり求人に掲載される募集情報を見て応募するか、母校のコネクションを生かして、事務所を紹介してもらうか・・・といったところでしょう。稀に事務所のホームページ等から飛び込みで電話をかけてそこから内定を勝ち取った、という人がいますが、これはほんの一部の猛者です。
書類選考を通れば面接になります。

正直、面接以降は、ご縁、というほかはありません。採用担当やボスとの相性が重視されます。
面接までいければ、結果はメールで送られてくることが多いですが、それまでの段階では、不合格の場合、通知が来ることはほとんどありません(俗にいうサイレントお祈りというやつです。)。めげずに、こまめに情報を更新して、自分の希望する地域の事務所なのか、あるいは希望する業種なのか、ここは人それぞれとは思いますが、に応募し続け、面接までまずは進むことが重要です。この際、特に履歴書は添削してもらう必要があるでしょう。採用担当をしている先輩、あるいは就職活動を勝ち抜いた先輩に数多く指導を請い、ベストの履歴書を作成しましょう(特に書式自由、となっているところはこの履歴書が重要といえます。)。

中途採用も基本的には転職活動のベースは変わりません。
履歴書や面接で、自分のできることをより強く発信し、かつ、自信を持てる分野、手続き、知識についてはこれをしっかりとアピールすることが重要でしょう。

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