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大手弁護士事務所求人

大手弁護士事務所について

2020年10月2日
big-building

公開日:2017/02/07 | 最終更新日:2020/10/02

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4大法律事務所

(1)そもそも4大法律事務所とは
新司法試験制度が始まり、法曹人口が増加したとはいっても、日本の弁護士事務所の所属弁護士数はまだまだ世界規模で見れば少ない人数でしかありません。
そんな中でもいわゆる4大法律事務所(最近では五大法律事務所とも呼ばれます)は、日本の中ではローファームと称され、数百人単位の弁護士を抱えて業務を行っています。
4大法律事務所とは、西村あさひ法律事務所、長嶋大野常松法律事務所、森濱田松本法律事務所、アンダーソン毛利友常法律事務所の4つを指します。(5大法律事務所と呼ばれる場合、もう一つはTMI総合法律事務所を指します。)

4大法律事務所はそれぞれ元々は得意分野を有してはいましたが、弱点分野の補強、得意分野の更なる発展を期し、様々な法律事務所を吸収・合併して、現在の形に至っています(そのために、名前が複数のネーミングパートナーのものになっているのです。)。
また、最近では、外資系の事務所と合併することでとくにクロスボーダー案件に積極的に乗り出しているような構えもみられます。
こういった法律事務所は法律分野に関してはオールラウンダーです。それぞれの分野に特化した専門の弁護士を抱えており、その集団が4大法律事務所なのですから、ある意味当然といえます。逆に、弁護士の立場で考えると、ある部門のスペシャリスト、例えばM&Aにおけるデュー・デリジェンス等が一般的にはまず、入所直後の若手に割り振られる仕事の様ですが、そのスペシャリストになることはできます。

逆に言えば、訴訟分門に配属されない限りは、法廷に立つこともなく、尋問技術などは中々身につかない環境といえるでしょう。どの部門に配属されるかについて、採用時にある程度の希望は言えるようですが、その希望が必ずしもかなうとも限らないようです。

(2)弁護士費用
こういった法律事務所は利用するには基本的にタイムチャージ、つまりは弁護士を時給で使う、ということになります。なので、成功しようとしまいと弁護士費用は発生しますし、人数をかければかけるほど金額も上がります(弁護士によって単価も異なります)。

(3)勤務弁護士の状況
弁護士の立場から見ると、これらの法律事務所での勤務は基本的には激務、とされます。クロスボーダー案件があるような場合には、深夜の会議も珍しくなく、終電に帰宅することができない、ということも十分に考えられます。そのため、4大法律事務所と一部の外資系法律事務所は、非常に高額な給料や昇給が保証されてはいますが、その分事務所の近く、基本的には丸の内や六本木に住まざるを得ない弁護士が多いようです(家賃による支出も当然覚悟しなければなりません。)。

(4)人材の育成
4大法律事務所は基本的に3~5年契約といわれています。そして、将来的に事務所としてパートナー候補となる人材であれば、留学や出向(特に大手企業や官公庁が多いとされます。)にいく、という流れです。
逆に言えば、2~3回目の契約期間にそういった話がない、ということであれば、4大事務所では窓際族になりかねません。
そして、留学等に行くと、戻ってきてから一定期間は、仮に退所する、となれば一定の金額を違約金のような形で支払う必要がある、ということになります。

4大法律事務所から派生している法律事務所

上記したように4大法律事務所には数多くの弁護士が在籍し、その中で(熾烈と呼ぶかどうかはともかく)出世競争、パートナーになれるかどうかという弁護士同士の競争が存在しています。
そして、出世争いに敗れた人、パートナー候補ではあったものの、4大法律事務所から何らかの理由で離れた人が別途組織している法律事務所も多数あります。

これらの法律事務所は4大法律事務所で培われたスペシャリストとなっている分野についてのブティック型の法律事務所が多い傾向にあります。
もっとも、その規模は多いところで数十人規模、といったところです。
近年、4大法律事務所から独立する弁護士の多くは、一人で法律事務所を立ち上げるというよりも、その中の仲間同士で共同で事務所を立ち上げたり、一度他の事務所へ転職してから独立して派生事務所を立ち上げる、ということが多いようです。

4大法律事務所出身の肩書があれば、ある程度の経験年数を踏んでいる弁護士のニーズは非常に高いものがあり、転職活動はそれほど難しくはありません(従前と同額の給料を求めるのであれば、そもそも応募できる法律事務所が限られてしまいますから、そういったところまで望むとすれば、当然、それは例外的事由になります。)。そこで、一般的な弁護士としてのスキルをおさらいし、ある程度の顧客を獲得した上で独立する、といった傾向にあるようです。
結果的に、これらの法律事務所は専門性の高い法律事務所が多くなっています。

外資系法律事務所

外資系はまさにローファームと呼ばれるように、全世界に支店を展開しているような事務所の東京、あるいは大阪支店に勤める形になります。
東京であれば、外国からパートナー弁護士の往来や顧客の往来が非常に多いことから、東京駅、特に丸の内周辺に事務所が集中しています。
外資系法律事務所は、一般的な法律事務所と違い、基本的に日本の訴訟案件は扱っていません。クロスボーダーのM&Aに代表されるように、あくまで世界的な企業の日本支店のサポート(もちろん、仮にこの支店が訴訟に巻き込まれる、ということになれば訴訟対応もすることにはなるのでしょうが。)や、日本に進出する企業のリーガル的なサポートを行うのが主たる業務になります。

そういった意味では、司法試験の勉強をしているときに思い描いていた業務とはかなり毛色の違う業務を行うことになりますし、個人事件を受任できなかったり、受任できたとしても、事務所事件としての扱いをされたり、そもそも忙しすぎてそんな余裕がなかったり、と様々な制約があることも事実です。
しかし、これらの法律事務所は場合によっては上記の4大法律事務所よりも高額の給料が保証されている上、基本的に採用される人=パートナー候補、ということになりますので、無駄な競争意識をあおられることもなく、留学もほぼ保証されており、そういった面で様々な経験を弁護士として積むことができる環境にあるといえます。

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