弁護士の募集を規模別に解説します
公開日:2017/01/03 | 最終更新日:2020/07/21
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弁護士を募集する側にも様々な事情が存在する。
弁護士を募集する、ということは、当たり前ではありますが、その法律事務所が弁護士を採用したがっている、ということです。もっとも、それぞれの弁護士事務所ごとに、弁護士を募集している背景事情は異なります。
就職活動、あるいは転職活動をする際には、それらの事情を理解した上で、活動することが重要になってきます。
テレビCMをしているような大手法律事務所の場合
最近は、一昔では考えられなかったことのようですが、複数の法律事務所がテレビCMをしています。テレビCMを出す、ということは、当然、それなりのコストが発生しているはずですが、それを上回る収益を上げている・・・ということなのでしょう。
これらの法律事務所が弁護士を募集する背景には、基本的には、マンパワーの不足、が挙げられます。
例えば、全国の裁判所の全支部に支店を出すことを目標の一つに掲げている某法律事務所のような場合、それだけでもかなりの数の弁護士が必要になります。実際に、こういった事務所の最大手の事務所は弁護士を150人以上抱え、もはや一大勢力になっているといえます。
こういった法律事務所は大々的に募集をかけており、その採用についても、非常に積極的です。基本的に、事務所説明会に参加した人には、面接試験の案内が送られてくることが多く、そこからは、採用を前提とした面接が実施されることが多いようです。
また、このような法律事務所の募集は基本的に一年中行っていること、新卒・中途採用の区別をすることなく積極的であることが特徴的といえるでしょう。具体的には司法試験の合格発表の直後から複数回にわたって事務所説明会を実施し、今後の採用プロセスなどを積極的に説明していきます。また、これらの法律事務所の募集には基本的に全国転勤についての事項が明記されていることが特徴です。
早いと弁護士になってから1年以内(正確には3か月の研修後)に、地方の支店へ転勤、ということもあります。弁護士一人の支店もあり、すぐに支店長、ということも少なくはないようです。このようなキャリアプランが修習生にとってプラスになるかどうかはじっくり考えてから応募した方が良いでしょう。
大手法律事務所の募集について
4大法律事務所や渉外法律事務所の募集は基本的には将来のパートナー弁護士を探すべく、募集・採用活動を行っているのが特徴といえます。
特に4大法律事務所のような大手法律事務所は、採用人数多いですが、同期の中でパートナーになれる人数は限られています。
当然、募集条件も(特に年収的には)非常に好条件が提示されます。その中で競争をし、パートナー、つまりは、事務所に対して経費を入れて、事務所の運営側に回れるほど、お客を取ってくる人材を募集しているわけです。
これらの法律事務所の募集は、基本的には、司法試験の直後、択一試験の結果発表前後に行われます。そして、6月中には内定を出してしまう、というのがスタンスです。その第一段階としては、基本的には学歴が重視されます。また、大学時代のGPA、ロースクールのGPAといったところで判断される傾向が強いため、司法試験合格後の就職活動で内定が出ることは、内定していた人が司法試験に不合格になってしまったような、きわめてイレギュラーな場合に限られてしまいます。
また、中途採用についても、非常にその門戸は狭いといえます。
基本的にこれらの法律事務所の募集は中途採用は予定していません。中途採用で採用するのは、よほど内部にコネクションがあるような場合や、事務所ごと、吸収されるような場合がほとんどでしょう。ホームページ上では一応経験弁護士も募集していますが、基本的には、上記したように若いうちからパートナーとなる人材を探しているのですから、中途採用は中々ないと考えるのが妥当です。
また、このような法律事務所の募集条件は年収的には非常に魅力的です。もっとも、その生活はかなりタフなものになります。終電以降も仕事をしたり(タクシーで帰宅したり)、時差の関係で、夜中に会議が入ったり・・・ということもあるようです。
このタフさの中でどれだけ仕事をこなすことができるのか、という点が見られているのでしょう。
もっとも、弁護士としてのキャリアの上で、例え、これらの法律事務所のパートナーになれなかったとしても、転職する際には非常に有利に働きます。その肩書も魅力の一つといえるでしょう。
但し、法廷に数多く立ちたい、という人には向いていないかもしれません。訴訟部門に配属されれば別ですが、そうでない限り、M&A等、デスクワークに終始することも少なくないようです。また、個人事件を制限されてしまうのも、こういった事務所の募集の特徴といえるでしょう。
中小規模以下の法律事務所について
中小規模以下の法律事務所については、基本的に業務を拡大する場合や、事件の数に弁護士の数が見合わないようなときに募集をかけます。
前者の場合であれば、新人弁護士でも十分に付け入ることはできますが、後者の場合であれば、経験弁護士の中途採用の方がはるかに募集に見合った人材、ということになるでしょう。
特にブティック系法律事務所で数年勤務していたような弁護士については、その分野の開拓・増強を図る法律事務所にとっては喉から手が出るほど欲しい人材になります。
新人弁護士にはない、研修や教える手間も省け、なおかつ、法律事務所の売上に貢献する、といったメリットは非常に大きいといえます。
新人弁護士の場合、これはもうご縁、というほかはありません。
募集に対する求人倍率も非常に高く、書類審査→面接と進む中で、募集に見合った人材と評価されるかどうか、そこに尽きるといえるでしょう。
新人弁護士の場合、募集要項をしっかりと読み込み、その法律事務所がどのような人材を求めているのか、また、自分が将来どのような弁護士になりたいのか、といったイメージを合致させることが重要になるといえます。
このように、さまざまな動機で法律事務所は弁護士を募集します。そのポイントをついた就職活動・転職活動が重要になります。
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