弁護士の交通事故の求人について
公開日:2017/04/20 | 最終更新日:2017/04/20
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交通事故における弁護士の役割
交通事故が発生してしまった場合、すぐに弁護士の出番があるわけではありません。
多くの場合、加害者も被害者も自動車保険に加入しています。
そのため、保険会社同士での示談交渉が、交通事故の際の交渉の基本線になるといえます。
動体同士の交通事故の場合、問題になりえるのは、過失割合を含めた事故態様、そして双方に生じた損害の大きさ(誤解を恐れずに表現するのであれば、人身の場合、後遺障害や慰謝料、物損の場合、修理代金等、ようするに金額です。)です。
保険会社の示談交渉は某保険会社のCMで「お客様専任担当の…」といったフレーズが使われているように、担当者が示談交渉を行うことになります。
この担当者も、問題になりそうな事案については、当該保険会社の顧問弁護士に相談したりしていることもあり、また、年がら年中交通事故案件を行っていることもあり、場合によっては、弁護士よりも交通事故に関して豊富な知識を持っているような場合すらあります。
そのため、交通事故が発生し、その賠償の問題になった場合にもいきなり弁護士の出番、ということにはならないのが通常といえます。
もっとも、示談交渉がこじれたような時には弁護士の出番、ということになるでしょう。但し、交通事故の場合、事故態様や過失割合、慰謝料などについては一定の基準が定められています。
具体的には、事故態様にまつわる過失割合については判例タイムスの別冊(業界用語的には緑本と呼ばれるもの)、そして慰謝料については、症状固定といって、そのタイミングから、交通事故によって負った後遺症が良くもならず、悪くもならない、と判断されたタイミングで医師から出される診断書を基準としていわゆる、赤本・青本に規定されています。そして、この基準となるのは医師の出した診断書に基づく自賠責の後遺症認定です。
これが認定されてしまうと、中々弁護士を間に入れたとしても覆すのは困難になってしまいます。
これらをまとめると弁護士の出番としては
①事故態様について争うとき
②損害について争うとき
の大きく二つに分かれることになります。
前者についてであれば、判例タイムス別冊のどの類型に該当するのか、該当したとして両当事者において過失の+・-の事情を拾い、できるだけ依頼者に有利な方向に%を近づけていくことになるでしょう。
後者については、上記した自賠責保険の認定が出る前が勝負になります。そもそも症状固定といえるのか、あるいは医師の出した診断書が適切なのか、といった点をまずは自賠責に対して主張し、依頼者に有利な後遺障害等級の認定を勝ち取ることを目指すことになります。
基本的には訴訟まで行けば①の方で争われることが多くなります。裁判にまで発展してしまったような場合には、弁護士を付けることが必須でしょう。
弁護士をつけるか、つけないかで結果として得られる賠償金に大きな差が生じてしまうこともあり得ます。
忘れてはいけないのは、保険会社の職員というのはあくまで会社員の方である、ということです。もちろん、事故に遭われた方はお客様ではありますが、究極的に保険会社の方は会社の命令には背くことが難しい立場です。すなわち、誰の利益を考えるのかといえば、終局的には会社の利益、ということになってしまいます。これに対して、弁護士は依頼者の代理人です。依頼者の利益の最大化のために動くことができる、というのが弁護士に依頼する最大のメリット、ということになるでしょう。
交通事故の弁護士求人
交通事故の件数がそもそも減ってきていることもあり、求人は減少傾向ではないでしょうか。
また、特に保険会社については、既に顧問先の法律事務所を抱えており、そこに新規法律事務所が割って入るのは相当な困難を伴います。そして、そのような顧問法律事務所は交通事故のブティック系法律事務所として経営しているところがほとんどです。
交通事故で保険会社としてスキルを身に着けたいような場合には、こういった法律事務所の求人を探し、そこに応募するのが最も近道といえるでしょう(もっとも、求人倍率はもちろん高いので、そういった意味では近道と一概に言えるかは微妙です。)。
また、被害者側、ということであれば、最近はCMをかけているような大手の法律事務所も交通事故を一つの大きな柱として事務所を経営しています。こういったところに応募して交通事故を弁護士として扱うことは可能です。もっとも、こういった法律事務所の場合には、その部門に必ずしも配属されるとは限りませんし、本社ではなく、支店勤務になった場合に、果たして交通事故案件を扱えるかについては不透明な面も少なくありません。
もっとも、どのような法律事務所であっても、交通事故案件が0ということはほぼあり得ない(4大法律事務所や外資であれば別ですが)といえます。そのことを認識していれば、交通事故そのものの求人を見つけることは困難だとしても、決して交通事故を扱えないわけではないことは意識しておく必要があるでしょう。
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